定数分離法
よって、3次関数のグラフを増減表を用いて描いて、\(y=t\) のグラフ( \(x\) 軸と平行な直線) との共有点を調べましょう。
問題解説:3次方程式の解の個数②(定数分離法)
$$\hspace{ 10 pt}x^3-9x^2+15x+20-t=0$$定数 \(t\) を移項すると、 $$\hspace{ 10 pt}x^3-9x^2+15x+20=t$$ここで、左辺を \(y=\) とした3次関数を考えると、$$\hspace{ 10 pt}y=x^3-9x^2+15x+20~~~\cdots{\large ①}$$\(y\) を \(x\) で微分すると、$$\hspace{ 10 pt}y’=3x^2-18x+15$$右辺を因数分解すると、$$\hspace{ 21 pt}=3(x^2-6x+5)$$$$\hspace{ 21 pt}=3(x-1)(x-5)$$ここで、\(y’=0\) となるのは$$\hspace{ 20 pt}x=1~,~5$$これより、\(y’\) のグラフは次のようになります。
また、\(x=1\) のとき \(y\) 座標は、$$\hspace{ 10 pt}y=1^3-9\cdot1^2+15\cdot1+20$$$$\hspace{ 18 pt}=1-9+15+20$$$$\hspace{ 18 pt}=27$$
\(x=5\) のとき \(y\) 座標は、$$\hspace{ 10 pt}y=5^3-9\cdot5^2+15\cdot5+20$$$$\hspace{ 18 pt}=125-225+75+20$$$$\hspace{ 18 pt}=-5$$
よって、\(y\) の増減表ら次のようになります。
\(x\) | \(\cdots\) | \(1\) | \(\cdots\) | \(5\) | \(\cdots\) |
\(y’\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) | \(0\) | \(+\) |
\(y\) | ↗︎ | \(27\) | ↘︎ | \(-5\) | ↗︎ |
よって、グラフは
となります。
次に \(y=t\) のグラフは \(x\) 軸に平行な直線となります。
これより、
( ⅰ ) \(-5<t<27\) のとき、
\(y=t\) と①との共有点が3つあるので、この方程式の実数解の個数は3つとなります。
( ⅱ ) \(t=-5~,~27\) のとき、
\(y=t\) と①との共有点が2つあるので、この方程式の実数解の個数は2つとなります。
( ⅲ ) \(t<-5~,~27<t\) のとき、
\(y=t\) と①との共有点が1つあるので、この方程式の実数解の個数は1つとなります。
よって、答えは
( ⅰ ) \(-5<t<27\) のとき、実数解3つ
( ⅱ ) \(t=-5~,~27\) のとき、実数解2つ
( ⅲ ) \(t<-5~,~27<t\) のとき、実数解1つ
となります。
今回のまとめ
定数を含む3次方程式のときは、定数を右辺に移項して左辺と右辺のそれぞれの関数のグラフから共有点の個数を調べましょう。