授業中にしっかり書いたはずのノートなのに、後で見返すと「何が大事だったか」が曖昧になることはありませんか。ここで、ページ上部でゴールを宣言する「タイトル付けノート術」を取り入れると、授業中の集中、翌日の復習、テスト直前の仕上げまでが一つの流れで回るようになります。
タイトル付けは「このページで何ができるようになるか」を一文で宣言する技法です。先頭に主要キーワードを置くと検索性が高まり、弱点の再発も防げます。下欄の3行要約をタイトルの言い換えにしておけば、一覧→自問→要約の最短ルートで学習が回り始めます。
タイトル付けノート術とは？（具体的な方法と活用法）
- 1ページ1ゴールをタイトルで宣言する
- 型で書くとブレない（結論型／手順型／比較型／チェック型）
- 主要キーワードを先頭寄せ。本文とタイトルは上下で整合
タイトルはページの看板です。「二次関数の最大最小｜平方完成→軸→範囲」「弱酸のpH計算法｜近似条件→式→代表例」のように、ゴールと手順の骨子を一文に圧縮します。型を使うと判断が速くなります。結論型は「○○はこう考えると速い｜理由→手順→例」、手順型は「○○の解き方｜1→2→3」、比較型は「○○と□□の違い｜定義→場合分け→典型ミス」、チェック型は「テスト前チェック｜ここだけは落とさない○項目」。どの型でも、主要キーワードは先頭に置き、冗長な修飾や固有名詞は削って概念名に統一します。タイトルと本文の整合は必須で、左欄の問いはタイトルの下位項目に対応させ、下欄の1行目はタイトルの言い換えにします。これでタイトル一覧→問い→要約の流れが最短化します。ケアレスミス対策では「符号」「約分」「単位」「条件分岐」などのミス源を先頭語に据え、毎回の視界に入る位置へ固定すると再発が減ります。
具体の設計は次のとおりです。授業前に3分だけ取り、タイトル草案でゴールを一文に固め、左欄には「定義」「性質」「手順」「例外」「ミス」の枠を3〜5本下書きします。右欄の柱（小見出し）を薄く置いて、書く場所を先に決めておきます。授業中は右欄に要点と例を短文で素早く、強調や「出る」のサインは記号化します（★頻出、！注意、？未解決）。左欄にはその場で湧いた疑問を書き足し、図や式は近くに寄せて矢印で因果や依存関係を結びます。授業後24時間以内に整備し、左欄は必ず問い文へ整え、重複は統合。右欄の不足は1行で補い、誤解しやすい境界を赤で可視化。下欄は「結論→根拠（キーワード2〜3）→条件・注意」で3行固定にします。これらをテンプレ化すると、毎回の工程が同じ手触りで進みます。
さらなる活用法（自分の弱点を見つける）
- タイトルを「設問」に変換して弱点を露出させる
- 左欄の問いは名詞ではなく「疑問符＋動詞」の一文にする
- 30秒口頭テストで詰まる箇所がそのまま改善点になる
弱点発見の要は「問い化」です。タイトルをそのまま設問にします。たとえば「判別式を使った実数解の判定｜条件→処理→例」を書いたなら、左欄に「判別式は何を比較して何を判定する？」「定義域があるときの端点処理は？」と置きます。名詞の箇条は避け、「〜は何を満たすと成立する？」「〜と〜の違いは？」のように動詞を含む一文にすると、答えの形が自然に想起されます。似た概念は対比で並べ、「違い」「共通する条件」「典型ミス」までをワンセットに。最後に自己点検として、右欄を隠して左欄に口頭で答え、逆に左を隠して右から問いを再生します。下欄を30秒で言い切れれば合格です。詰まった問いは右欄で根拠を補強し、下欄を上書き。タイトルの語彙も1語だけ入れ替えて再テストすると、次の復習が速くなります。自作問題集の視点では、タイトル＝問題文、左欄＝設問群、右欄＝解説の骨子と対応させる運用が効果的です。
デジタルとの連携方法（必要なページだけ写真を撮って見返す）
- 紙の「完成ページ」だけを写真化し、先頭語を統一して保存する
- 保存名とフォルダの語彙をそろえ、検索で1発ヒットする状態を作る
- テスト前は「タイトル一覧→該当写真→30秒要約」で最短復習
紙で考え、デジタルで速く探す。撮影するのは、タイトルと左欄が整い、右欄の根拠と例、下欄の3行要約がそろった完成ページだけです。保存名は「科目_主要キーワード｜手順要点_YYYY-MM-DD」のように、科目と主要キーワードを左詰めに。フォルダやタグも同じ語彙で統一し、日付や単元コードは末尾に小さく付します。ポケットメモや写真メモ、学習ログの語彙も合わせておくと、断片の検索性が一気に上がります。テスト期は、端末のアルバムやノートアプリで「タイトル先頭語」を絞り込み、該当写真を開いたら下欄の3行を音読し、左欄に口頭回答。詰まった設問にだけ右欄を開く「最短往復」を徹底します。
定期テストが終わったこの時期だからできる今学期のまとめと復習
- タイトル一覧で範囲全体を棚卸しし、抜けとダブりを発見する
- 左欄だけ束ね読みして「□できる／△迷う／×できない」を一気に判定する
- ×は右欄で根拠補強→下欄を上書き。△は30秒説明チャレンジで詰める
テスト直後は、記憶の痕跡が残っている黄金タイミングです。まず、今学期のタイトルだけを一覧して、単元の山と谷、重複や未回収を俯瞰します。次に左欄だけを束ねて読み、□△×の三段階でラベル付け。×は右欄の根拠を補い、誤解しやすい境界（例：不等号の向き、近似条件の適用範囲、語法の例外）を赤で目立たせ、下欄の1行を上書きします。△は30秒説明チャレンジで言い切れるまで短文化。□は流し読みで再固定に留めます。季節学習の運用と組み合わせれば、「タイトルスプリント」（1日1ページの完成と週次レビュー）で弱点を面で回収できます。テスト勉強や季節の復習法と接続しておくと、次学期の立ち上がりが軽くなります。
まとめ
タイトルでゴールを宣言し、左欄で問いを立て、右欄で根拠と例を積み、下欄で30秒に圧縮する。これをテンプレとして固定すれば、授業の理解、翌日の整備、定着の確認、テスト直前の仕上げが一本の線でつながります。まずは今週、テンプレどおりに一枚仕上げてください。タイトルは型で、左欄は問い文で、下欄は3行で。タイトル一覧→左欄束ね読み→30秒説明までが軽く回り始めたら、学習の進み方が変わります。
