和が与えられた等比数列の解法
また、式変形が少し特徴的ですので今回の問題で練習しておきましょう。
問題解説:和が与えられた等比数列
問題解説(1)
\({\small (1)}\) 初項から第3項までの和が \(21\)、第4項から第6項までの和が \(168\)
初項を \(a\)、公比を \(r\)とすると、
初項から第3項までは、\(a~,~ar~,~ar^2\) と表されて、これらの和が \(21\) より、$$~~~a+ar+ar^2=21~\cdots①$$
第4項から第6項までは、 \(ar^3~,~ar^4~,~ar^5\) と表されて、これらの和が \(168\) より、$$~~~ar^3+ar^4+ar^5=168$$ここで、\(r^3\) でくくると、$$\hspace{ 10 pt}r^3(a+ar+ar^2)=168$$①の式を代入すると、$$\hspace{ 10 pt}r^3\cdot 21=168$$両辺を \(21\) で割ると、$$\hspace{ 10 pt}r^3=8$$$$\hspace{ 14 pt}r=2$$これを①に代入すると、$$~~~a+a\cdot2+a\cdot2^2=21$$$$\hspace{ 28 pt}a+2a+4a=21$$$$\hspace{ 69 pt}7a=21$$両辺を \(7\) で割ると、$$\hspace{ 10 pt}a=3$$よって、答えは初項 \(3\)、公比 \(2\) となります。
問題解説(2)
\({\small (2)}\) 初項から第3項までの和が \(35\)、第3項が \(20\)
初項を \(a\)、公比を \(r\)とすると、
第3項は、初項から公比を \(3-1=2\) 回かけたものとなるので、$$~~~a_3=ar^2$$ここで、第3項は \(a_3=20\) より、$$~~~ar^2=20~\cdots①$$
次に、初項から第3項までは、\(a~,~ar~,~ar^2\) と表されて、これらの和が \(35\) より、$$~~~a+ar+ar^2=35$$\(a\) でくくると、$$\hspace{ 10 pt}a(1+r+r^2)=35$$両辺に \(r^2\) をかけると、$$\hspace{ 10 pt}r^2\cdot a(1+r+r^2)=r^2\cdot35$$$$\hspace{ 17 pt}ar^2(1+r+r^2)=35r^2$$①を代入すると、$$\hspace{ 17 pt}20(1+r+r^2)=35r^2$$$$\hspace{ 10 pt}20+20r+20r^2=35r^2$$左辺に \(35r^2\) を移項すると、$$\hspace{ 10 pt}20+20r+20r^2-35r^2=0$$$$\hspace{ 34 pt}-15r^2+20r+20=0$$両辺を \(-5\) で割ると、$$\hspace{ 22 pt}3r^2-4r-4=0$$左辺を因数分解すると、$$\hspace{ 10 pt}(3r+2)(r-2)=0$$$$\hspace{ 70 pt}r=-\frac{2}{3}~,~2$$
( ⅰ ) \(r=-{\Large \frac{2}{3}}\) のとき、①に代入すると、$$~~~a\left(-\frac{2}{3}\right)^2=20$$$$\hspace{ 35 pt}\frac{4}{9}a=20$$両辺に \({\Large \frac{9}{4}}\) をかけると、$$\hspace{ 10 pt} \frac{4}{9}a\cdot \frac{9}{4}=20\cdot\frac{9}{4}$$$$\hspace{ 35 pt}a=45$$
( ⅱ ) \(r=2\) のとき、①に代入すると、$$~~~a\cdot2^2=20$$$$\hspace{ 20 pt}4a=20$$両辺を \(4\) で割ると、$$\hspace{ 25 pt}a=5$$
よって、( ⅰ )と( ⅱ )より答えは、$$~~~a=45~,~r=-\frac{2}{3}$$または、$$~~~a=5~,~r=2$$となります。
今回のまとめ
和が与えられた等比数列については、和を初項と公比を用いた式で表しましょう。また、連立するときは代入しやすいように強引に式変形をしましょう。