- 数学B|統計的な推測「母比率の仮説検定(片側検定5%)」の基本例題解説ページです。
- 目次をクリックすると各セクションへ移動します。
問題|母比率の仮説検定(片側検定5%)
高校数学B|統計的な推測
・数研出版の教科書→棄却域タイプ
・問題集など→正規分布表タイプ
・東京書籍の教科書→標本比率タイプ
母比率の仮説検定(片側検定5%)|棄却域タイプ
解法のPoint|棄却域タイプ
① 判断したい説に反する仮説を立てる。
発芽率が上がった(判断したい)
(仮説)発芽率が上がっていない \(p=0.6\)
② 仮説が正しいとして、確率変数 \( X \) の期待値(平均)と標準偏差を求めて、標準正規分布に従う \( Z \) に変換する。
\( n=600 \) が大きいとき、
二項分布 \( B(600~,~0.6) \) より、
\(m=n\,p=360\)
\(\sigma=\sqrt{\,n\,p\,(1-p)\,}=12\)
変換の式は、\(Z=\displaystyle \frac{\,X-m\,}{\,\sigma\,}=\displaystyle \frac{\,X-360\,}{\,12\,}\)
③ 有意水準より棄却域を求める。


\( P(\,0{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.64\,){\small ~≒~}0.45 \) より、
有意水準 \( 5 \) %の片側検定の棄却域は、
・上がったか判定 \(Z{\small ~≧~}1.64\)
・下がったか判定 \(Z{\small ~≦~}-1.64\)
④ \(X\) の値を \(Z\) に変換して、\(Z\) の値が棄却域に入るかどうかを調べる。
棄却域に入る(めったに起こらない事象)
→ 上がっていないという仮説を棄却
→ 上がったと判断できる
棄却域に入らない(十分起こりうる事象)
→ 上がっていないという仮説を棄却できない
→ 上がったと判断できない
©︎ 2026 教科書より詳しい高校数学 yorikuwa.com
詳しい解説|棄却域タイプ
発芽率が \( 60 \) %である種子を品種改良し、品種改良した種子から無作為に \(600\) 個を抽出したところ \(384\) 個が発芽したとき、品種改良によって発芽率が上がったと判断して良いか有意水準 \( 5 \) %で検定する方法は?ただし、\( P(\,0{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.64\,){\small ~≒~}0.45~,~\)\(p(2)=0.4772 \) とする。
高校数学B|統計的な推測
発芽率が上がったと判断したいので、
発芽率が上がっていない \(p=0.6\) と仮説を立てる
仮説が正しいとすると、\(600\) 回中 発芽する個数 \(X\) は、二項分布 \(B(600~,~0.6)\) に従う
よって、確率変数 \(X\) の期待値(平均)と標準偏差は、
\(~~~m=600{\, \small \times \,}0.6=360\)
\(\begin{eqnarray}~~~\sigma&=&\sqrt{\,600{\, \small \times \,}0.6\cdot(1-0.6)\,}
\\[5pt]~~~&=&\sqrt{144}=12
\end{eqnarray}\)
これより、確率変数 \(X\) は近似的に正規分布 \(N(360~,~12^2)\) に従う
また、\(Z=\displaystyle \frac{\,X-360\,}{\,12\,}~~~\cdots {\small [\,1\,]}\) とおくと、
確率変数 \(Z\) は標準正規分布 \(N(0~,~1)\) に従う
ここで、\( P(\,0{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.64\,){\small ~≒~}0.45 \) より、
発芽率が上がった判定の有意水準 \(5\) %の棄却域は、
\(~~~Z{\small ~≧~}1.64 ~ ~ ~\cdots {\small [\,2\,]}\)
\(X=384\) のとき、\({\small [\,1\,]}\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~Z&=&\displaystyle \frac{\,384-360\,}{\,12\,}
=\displaystyle \frac{\,24\,}{\,12\,}=2.0
\end{eqnarray}\)
これは \({\small [\,2\,]}\) の棄却域に入るので、仮説を棄却できる
したがって、発芽率が上がったと判断できる
練習問題アーカイブページはこちら→
母比率の仮説検定(片側検定5%)
母比率の仮説検定(片側検定5%)|正規分布表タイプ
解法のPoint|正規分布表タイプ
① 判断したい説に反する仮説を立てる。
発芽率が上がった(判断したい)
(仮説)発芽率が上がっていない \(p=0.6\)
② 仮説が正しいとして、確率変数 \( X \) の期待値(平均)と標準偏差を求めて、標準正規分布に従う \( Z \) に変換する。
\( n=600 \) が大きいとき、
二項分布 \( B(600~,~0.6) \) より、
\(m=n\,p=360\)
\(\sigma=\sqrt{\,n\,p\,(1-p)\,}=12\)
変換の式は、\(Z=\displaystyle \frac{\,X-m\,}{\,\sigma\,}=\displaystyle \frac{\,X-360\,}{\,12\,}\)
③ \(X\) の値から \(Z\) を求めて、確率変数 \(Z\) がその値以上となる確率を求める。
\(X=384\) のとき、\(Z=2.0\)
よって、正規分布表より、
\(P\left(Z{\small ~≧~}2.0\right)=0.0228\)
④ 求めた確率と有意水準 \( 5 \) %を比較する。
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より小さい
→ めったに起こらない事象が起こる
→ 上がっていないという仮説を棄却
→ 上がったと判断できる
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より大きい
→ 十分起こりうる事象が起こる
→ 上がっていないという仮説を棄却できない
→ 上がったと判断できない
©︎ 2026 教科書より詳しい高校数学 yorikuwa.com
詳しい解説|正規分布表タイプ
発芽率が \( 60 \) %である種子を品種改良し、品種改良した種子から無作為に \(600\) 個を抽出したところ \(384\) 個が発芽したとき、品種改良によって発芽率が上がったと判断して良いか有意水準 \( 5 \) %で検定する方法は?ただし、\( P(\,0{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.64\,){\small ~≒~}0.45~,~\)\(p(2)=0.4772 \) とする。
高校数学B|統計的な推測
発芽率が上がったと判断したいので、
発芽率が上がっていない \(p=0.6\) と仮説を立てる
仮説が正しいとすると、\(600\) 回中 発芽する個数 \(X\) は、二項分布 \(B(600~,~0.6)\) に従う
よって、確率変数 \(X\) の期待値(平均)と標準偏差は、
\(~~~m=600{\, \small \times \,}0.6=360\)
\(\begin{eqnarray}~~~\sigma&=&\sqrt{\,600{\, \small \times \,}0.6\cdot(1-0.6)\,}
\\[5pt]~~~&=&\sqrt{144}=12
\end{eqnarray}\)
これより、確率変数 \(X\) は近似的に正規分布 \(N(360~,~12^2)\) に従う
また、\(Z=\displaystyle \frac{\,X-360\,}{\,12\,}~~~\cdots {\small [\,1\,]}\) とおくと、
確率変数 \(Z\) は標準正規分布 \(N(0~,~1)\) に従う
\(X=384\) のとき、\({\small [\,1\,]}\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~Z&=&\displaystyle \frac{\,384-360\,}{\,12\,}
=\displaystyle \frac{\,24\,}{\,12\,}=2.0
\end{eqnarray}\)
よって、確率変数 \(Z\) が \(2.0\) 以上となる確率は、
正規分布表より、\(p(2.0)=0.4772\) を用いて、
\(\begin{eqnarray}P\left(Z{\small ~≧~}2.0\right)&=&0.5-p(2.0)
\\[3pt]~~&=&0.5-0.4772
\\[3pt]~~&=&0.0228
\end{eqnarray}\)
よって、\(2.28\) %となり、有意水準 \(5\) %よりも小さくなり、仮説を棄却できる
したがって、発芽率が上がったと判断できる
練習問題アーカイブページはこちら→
母比率の仮説検定(片側検定5%)
母比率の仮説検定(片側検定5%)|標本比率タイプ
解法のPoint|標本比率タイプ
① 帰無仮説と対立仮説を立てる。
発芽率が上がっていないを帰無仮説 \(p=0.6\)
発芽率が上がったを対立仮説 \(p\gt 0.6\)
② 帰無仮説が正しいとして、標本比率 \(p^{\prime}\) より、標準正規分布に従う \( Z \) に変換する。
期待値(平均)は、\(E(p^{\prime})=p=0.6\)
標準偏差は、\(\sigma(p^{\prime})=\sqrt{\,\displaystyle \frac{\,p(1-p)\,}{\,n\,}}=0.02\)
変換の式は、\(Z=\displaystyle \frac{\,p^{\prime}-p\,}{\,\sigma(p^{\prime})\,}\)
③ \(X\) の値から標本比率 \(p^{\prime}\) を求めて、母比率 \(p\) との差を求める。
\(X=384\) のとき、\(p^{\prime}=\displaystyle \frac{\,X\,}{\,n\,}=0.64\)
よって、\(p^{\prime}-p=0.04\)
④ 標本比率と母比率の差が③の値以上となる確率を求める。
\(p^{\prime}-p{\small ~≧~}0.04\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~\displaystyle \frac{\,p^{\prime}-p\,}{\,\sigma(p^{\prime})\,}
&{\small ~≧~}&
\displaystyle \frac{\,0.04\,}{\,\sigma(p^{\prime})\,}
\end{eqnarray}\)
これより、
\(\begin{split}&P\left(\,p^{\prime}-p{\small ~≧~}0.04\,\right)
\\[5pt]~~=~&P\left(Z{\small ~≧~}2.0\right)=0.0228\end{split}\)
⑤ 求めた確率と有意水準 \( 5 \) %を比較する。
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より小さい
→ めったに起こらない事象が起こる
→ 上がっていないという帰無仮説を棄却
→ 上がったと判断できる
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より大きい
→ 十分起こりうる事象が起こる
→ 上がっていないという帰無仮説を棄却できない
→ 上がったと判断できない
©︎ 2026 教科書より詳しい高校数学 yorikuwa.com
詳しい解説|標本比率タイプ
発芽率が \( 60 \) %である種子を品種改良し、品種改良した種子から無作為に \(600\) 個を抽出したところ \(384\) 個が発芽したとき、品種改良によって発芽率が上がったと判断して良いか有意水準 \( 5 \) %で検定する方法は?ただし、\( P(\,0{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.64\,){\small ~≒~}0.45~,~\)\(p(2)=0.4772 \) とする。
高校数学B|統計的な推測
発芽率を \( p \) とすると、
帰無仮説は、\( p=0.6 \)
対立仮説は、\( p\gt 0.6 \)
また、標本比率を \( p^{\prime} \) とすると、
期待値(平均)は、
\(~~~E(p^{\prime})=p=0.6\)
標準偏差は、
\(\begin{eqnarray}~~~\sigma(p^{\prime})&=&\sqrt{\,\displaystyle \frac{\,p(1-p)\,}{\,n\,}}
\\[5pt]~~~&=&\sqrt{\,\displaystyle \frac{\,0.6\cdot (1-0.6)\,}{\,600\,}}
\\[5pt]~~~&=&\sqrt{\,\displaystyle \frac{\,0.1\cdot 0.4\,}{\,100\,}}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,\sqrt{0.04}\,}{\,\sqrt{100}}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,0.2\,}{\,10\,}
\\[5pt]~~~&=&0.02
\end{eqnarray}\)
\( Z=\displaystyle \frac{\,p^{\prime}-p\,}{\,\sigma(p^{\prime})\,} \) とおくと、
確率変数 \( Z \) は標準正規分布 \(N(0~,~1)\) に従う
\(X=384\) のとき、標本比率 \( p^{\prime} \) は、
\(\begin{eqnarray}~~~p^{\prime}&=&\displaystyle \frac{\,X\,}{\,n\,}=\displaystyle \frac{\,384\,}{\,600\,}=0.64
\end{eqnarray}\)
ここで、標本比率と母比率の差が \( 0.04 \) 以上となる確率を考えると、
\(~~~p^{\prime}-p{\small ~≧~}0.04\)
両辺を \( \sigma(p^{\prime}) \) で割ると、
\(\begin{eqnarray}~~~\displaystyle \frac{\,p^{\prime}-p\,}{\,\sigma(p^{\prime})\,}
&{\small ~≧~}&
\displaystyle \frac{\,0.04\,}{\,\sigma(p^{\prime})\,}
\end{eqnarray}\)
左辺は \( Z \) となり、右辺は \( \sigma(p^{\prime})=0.02 \) より、
\(\begin{eqnarray}~~~Z&{\small ~≧~}&\displaystyle \frac{\,0.04\,}{\,0.02\,}
\\[5pt]~~~Z&{\small ~≧~}&\displaystyle \frac{\,4\,}{\,2\,}
\\[5pt]~~~Z&{\small ~≧~}&2.0
\end{eqnarray}\)
よって、確率変数 \(Z\) が \(2.0\) 以上となる確率は、
正規分布表より、\(p(2.0)=0.4772\) を用いて、
\(\begin{eqnarray}P\left(Z{\small ~≧~}2.0\right)&=&0.5-p(2.0)
\\[3pt]~~&=&0.5-0.4772
\\[3pt]~~&=&0.0228
\end{eqnarray}\)
よって、\(2.28\) %となり、有意水準 \(5\) %よりも小さくなり、帰無仮説 \(p=0.6\) を棄却できる
したがって、発芽率が上がったと判断できる

