- 数学B|統計的な推測「母平均の仮説検定」の基本例題解説ページです。
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問題|母平均の仮説検定
高校数学B|統計的な推測
・数研出版の教科書→棄却域タイプ
・問題集など→正規分布表タイプ
・東京書籍の教科書→帰無仮説タイプ
母平均の仮説検定|棄却域タイプ
解法のPoint|棄却域タイプ
① 判断したい説に反する仮説を立てる。
1袋あたりの重さは表示通りでない(判断したい)
(仮説)表示通りである \(m=60\) とする
② 仮説が正しいとして、標本平均 \( \overline{X} \) の期待値(平均)と標準偏差を求めて、標準正規分布に従う \( Z \) に変換する。
期待値(平均) \(E(\overline{X})=m=60\)
標準偏差 \(\sigma(\overline{X})=\displaystyle \frac{\,\sigma\,}{\,\sqrt{n}\,}=0.5\)
変換の式は、\(Z=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-m\,}{\,\sigma(\overline{X})\,}=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-60\,}{\,0.5\,}\)
③ 有意水準より棄却域を求める。


\( P(\,-1.96{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.96\,){\small ~≒~}0.95 \) より、
有意水準 \( 5 \) %の両側検定の棄却域は、
\(Z{\small ~≦~}-1.96~,~1.96{\small ~≦~}Z\)
④ \(\overline{X}\) の値を \(Z\) に変換して、\(Z\) の値が棄却域に入るかどうかを調べる。
\(Z\) が棄却域に入る(めったに起こらない事象)
→ 表示通りである仮説を棄却
→ 表示通りでないと判断できる
\(Z\) が棄却域に入らない(十分起こりうる事象)
→ 表示通りである仮説を棄却できない
→ 表示通りでないと判断できない
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詳しい解説|棄却域タイプ
\(60~{\rm g}\) 入りと表示されている製品から \(100\) 個を無作為に抽出して重さを調べると平均値は \(61~{\rm g}\) であり、この製品の母標準偏差が \( 5~{\rm g} \) であるとき、1袋あたりの重さは表示通りでないと判断してよいか有意水準 \( 5 \) %で検定する方法は?ただし、\( P(\,-1.96{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.96\,){\small ~≒~}0.95~,~\)\(p(2)=0.4772 \) とする。
高校数学B|統計的な推測
無作為に抽出した \(100\) 個の重さの標本平均を \( \overline{X} \) として、母平均 \(m=60\) と表示通りであると仮説を立てる
標本の大きさ \(n=100\) が十分大きいと考えて、仮説が正しいとすると、母平均 \(m=60\)、母標準偏差 \(\sigma=5\) より、
標本平均 \( \overline{X} \) の期待値(平均)と標準偏差は、
\(~~~E(\overline{X})=m=60\)
\(\begin{eqnarray}~~~\sigma(\overline{X})&=&\displaystyle \frac{\,\sigma\,}{\,\sqrt{n}\,}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,5\,}{\,\sqrt{100}\,}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,5\,}{\,10\,}=0.5
\end{eqnarray}\)
これより、標本平均 \( \overline{X} \) は近似的に正規分布 \( N\left(60~,~0.5^2\right) \) に従う
また、\(Z=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-60\,}{\,0.5\,}~~~\cdots \small [\,1\,]\) とおくと、
確率変数 \(Z\) は標準正規分布 \( N(0~,~1) \) に従う
ここで、\( P(\,-1.96{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.96\,){\small ~≒~}0.95 \) より、有意水準 5% の棄却域は、
\(Z{\small ~≦~}-1.96~,~1.96{\small ~≦~}Z~~~\cdots \small [\,2\,]\)
\( \overline{X}=61 \) のとき、\(\small [\,1\,]\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~Z&=&\displaystyle \frac{\,61-60\,}{\,0.5\,}=\displaystyle \frac{\,1\,}{\,0.5\,}=2.0
\end{eqnarray}\)
これは \(\small [\,2\,]\) の棄却域に入るので、仮説を棄却できる
1袋あたりの重さは表示通りでないと判断できる
母平均の仮説検定|正規分布表タイプ
解法のPoint|正規分布表タイプ
① 判断したい説に反する仮説を立てる。
1袋あたりの重さは表示通りでない(判断したい)
(仮説)表示通りである \(m=60\) とする
② 仮説が正しいとして、標本平均 \( \overline{X} \) の期待値(平均)と標準偏差を求めて、標準正規分布に従う \( Z \) に変換する。
期待値(平均) \(E(\overline{X})=m=60\)
標準偏差 \(\sigma(\overline{X})=\displaystyle \frac{\,\sigma\,}{\,\sqrt{n}\,}=0.5\)
変換の式は、\(Z=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-m\,}{\,\sigma(\overline{X})\,}=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-60\,}{\,0.5\,}\)
③ \(\overline{X}\) の値から \(Z\) を求めて、確率変数 \(Z\) の絶対値がその値以上となる確率を求める。
\(\overline{X}=61\) のとき、\(Z=2.0\)
よって、正規分布表より、
\(P\left(\left|Z\right|{\small ~≧~}2.0\right)=0.0456\)
④ 求めた確率と有意水準 \( 5 \) %を比較する。
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より小さい
→ めったに起こらない事象が起こる
→ 表示通りである仮説を棄却
→ 表示通りでないと判断できる
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より大きい
→ 十分起こりうる事象が起こる
→ 表示通りである仮説を棄却できない
→ 表示通りでないと判断できない
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詳しい解説|正規分布表タイプ
\(60~{\rm g}\) 入りと表示されている製品から \(100\) 個を無作為に抽出して重さを調べると平均値は \(61~{\rm g}\) であり、この製品の母標準偏差が \( 5~{\rm g} \) であるとき、1袋あたりの重さは表示通りでないと判断してよいか有意水準 \( 5 \) %で検定する方法は?ただし、\( P(\,-1.96{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.96\,){\small ~≒~}0.95~,~\)\(p(2)=0.4772 \) とする。
高校数学B|統計的な推測
無作為に抽出した \(100\) 個の重さの標本平均を \( \overline{X} \) として、母平均 \(m=60\) と表示通りであると仮説を立てる
標本の大きさ \(n=100\) が十分大きいと考えて、仮説が正しいとすると、母平均 \(m=60\)、母標準偏差 \(\sigma=5\) より、
標本平均 \( \overline{X} \) の期待値(平均)と標準偏差は、
\(~~~E(\overline{X})=m=60\)
\(\begin{eqnarray}~~~\sigma(\overline{X})&=&\displaystyle \frac{\,\sigma\,}{\,\sqrt{n}\,}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,5\,}{\,\sqrt{100}\,}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,5\,}{\,10\,}=0.5
\end{eqnarray}\)
これより、標本平均 \( \overline{X} \) は近似的に正規分布 \( N\left(60~,~0.5^2\right) \) に従う
また、\(Z=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-60\,}{\,0.5\,}~~~\cdots \small [\,1\,]\) とおくと、
確率変数 \(Z\) は標準正規分布 \( N(0~,~1) \) に従う
\( \overline{X}=61 \) のとき、\(\small [\,1\,]\) より、
\(\begin{eqnarray}~~~Z&=&\displaystyle \frac{\,61-60\,}{\,0.5\,}=\displaystyle \frac{\,1\,}{\,0.5\,}=2.0
\end{eqnarray}\)
よって、確率変数 \(Z\) の絶対値が \(2.0\) 以上となる確率は、
正規分布表より、\(p(2)=0.4772\) を用いて、
\(\begin{eqnarray}P\left(\left|Z\right|{\small ~≧~}2.0\right)&=&2\cdot P(Z{\small ~≧~}2.0)
\\[3pt]~~&=&2\cdot \left(0.5-p(2)\right)
\\[3pt]~~&=&2\cdot \left(0.5-0.4772\right)
\\[3pt]~~&=&2{\, \small \times \,}0.0228
\\[3pt]~~&=&0.0456
\end{eqnarray}\)
したがって、\(4.56\) %となり、有意水準 \(5\) %よりも小さくなり、仮説を棄却できる
1袋あたりの重さは表示通りでないと判断できる
母平均の仮説検定|帰無仮説タイプ
解法のPoint|帰無仮説タイプ
① 帰無仮説と対立仮説を立てる
表示通りであるを帰無仮説 \(m=60\)
表示通りでないを対立仮説 \(m\ne 60\)
② 仮説が正しいとして、標本平均 \( \overline{X} \) の期待値(平均)と標準偏差を求めて、標準正規分布に従う \( Z \) に変換する。
期待値(平均) \(E(\overline{X})=m=60\)
標準偏差 \(\sigma(\overline{X})=\displaystyle \frac{\,\sigma\,}{\,\sqrt{n}\,}=0.5\)
変換の式は、\(Z=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-m\,}{\,\sigma(\overline{X})\,}=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-60\,}{\,0.5\,}\)
③ \(\overline{X}\) の値から \(Z\) を求めて、確率変数 \(Z\) の絶対値がその値以上となる確率を求める。
\(\overline{X}=61\) のとき、\(Z=2.0\)
よって、正規分布表より、
\(P\left(\left|Z\right|{\small ~≧~}2.0\right)=0.0456\)
④ 求めた確率と有意水準 \( 5 \) %を比較する。
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より小さい
→ めったに起こらない事象が起こる
→ 表示通りである帰無仮説を棄却
→ 表示通りでないと判断できる
・ 求めた確率が有意水準 \( 5 \) %より大きい
→ 十分起こりうる事象が起こる
→ 表示通りである帰無仮説を棄却できない
→ 表示通りでないと判断できない
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詳しい解説|帰無仮説タイプ
\(60~{\rm g}\) 入りと表示されている製品から \(100\) 個を無作為に抽出して重さを調べると平均値は \(61~{\rm g}\) であり、この製品の母標準偏差が \( 5~{\rm g} \) であるとき、1袋あたりの重さは表示通りでないと判断してよいか有意水準 \( 5 \) %で検定する方法は?ただし、\( P(\,-1.96{\small ~≦~}Z{\small ~≦~}1.96\,){\small ~≒~}0.95~,~\)\(p(2)=0.4772 \) とする。
高校数学B|統計的な推測
無作為に抽出した \(100\) 個の重さの標本平均を \( \overline{X} \) とする
また、製品の重さの平均値を \(m\) とすると、
帰無仮説は \(m=60\)
対立仮説は \(m\ne 60\)
となる
標本の大きさ \(n=100\)、母標準偏差 \(\sigma=5\) より、
標本平均 \( \overline{X} \) の期待値(平均)と標準偏差は、
\(~~~E(\overline{X})=m=60\)
\(\begin{eqnarray}~~~\sigma(\overline{X})&=&\displaystyle \frac{\,\sigma\,}{\,\sqrt{n}\,}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,5\,}{\,\sqrt{100}\,}
\\[5pt]~~~&=&\displaystyle \frac{\,5\,}{\,10\,}=0.5
\end{eqnarray}\)
これより、標本平均 \( \overline{X} \) は近似的に正規分布 \( N\left(60~,~0.5^2\right) \) に従う
また、\(Z=\displaystyle \frac{\,\overline{X}-60\,}{\,0.5\,}~~~\cdots \small [\,1\,]\) とおくと、
確率変数 \(Z\) は標準正規分布 \( N(0~,~1) \) に従う
ここで、母平均 \(m=60\) と標本平均 \(\overline{X}\) の差の絶対値が \(1\) 以上となる確率を考えると、
\(~~~\left|\,\overline{X}-60\,\right|{\small ~≧~}1\)
両辺を \( \sigma(\overline{X})=0.5 \) で割ると、
\(\begin{eqnarray}~~~\left|\displaystyle \frac{\,\overline{X}-60\,}{\,0.5\,}\right|
&{\small ~≧~}&
\displaystyle \frac{\,1\,}{\,0.5\,}
\end{eqnarray}\)
左辺は\(\small [\,1\,]\)より、\( Z \) となるので、
\(\begin{eqnarray}~~~\left|Z\right|&{\small ~≧~}&\displaystyle \frac{\,1\,}{\,0.5\,}
\\[5pt]~~~\left|Z\right|&{\small ~≧~}&2.0
\end{eqnarray}\)
よって、確率変数 \(Z\) の絶対値が \(2.0\) 以上となる確率は、
正規分布表より、\(p(2)=0.4772\) を用いて、
\(\begin{eqnarray}P\left(\left|Z\right|{\small ~≧~}2.0\right)&=&2\cdot P(Z{\small ~≧~}2.0)
\\[3pt]~~&=&2\cdot \left(0.5-p(2)\right)
\\[3pt]~~&=&2\cdot \left(0.5-0.4772\right)
\\[3pt]~~&=&2{\, \small \times \,}0.0228
\\[3pt]~~&=&0.0456
\end{eqnarray}\)
したがって、\(4.56\) %となり、有意水準 \(5\) %よりも小さくなり、帰無仮説 \(m=60\) を棄却できる
1袋あたりの重さは表示通りでないと判断できる

