剰余の定理と余りの決定方法
① 2次式で割っているので、余りの次は1次式か定数となります。よって、\(ax+b\) とおきましょう。また、割ったときの商を \(Q(x)\) とします。
② この割り算の式を立てます。
③ 問題文より、\(P(x)\) を \(x-\alpha~,~x-\beta\) のそれぞれで割ったときの余りより、次の式を条件式とします。$$~~~\biggl\{ \begin{eqnarray} ~P(\alpha)=R_1 \\ ~P(\beta)=R_2\end{eqnarray}$$④ 割り算の式に \(x=\alpha~,~\beta\) をそれぞれ代入して以下の連立方程式を立てます。$$~~~\biggl\{ \begin{eqnarray} ~P(\alpha)=a\alpha+b=R_1 \\ ~P(\beta)=a\beta+b=R_2\end{eqnarray}$$⑤ 連立方程式より、\(a~,~b\) を求めます。
問題解説:剰余の定理と余りの決定
$$~~~x^2+x-3=(x-1)(x+2)$$よって、\(P(x)\) を \((x-1)(x+2)\) で割ったときの商を \(Q(x)\)、余りを \(ax+b\) とすると、$$~~~P(x)=(x-1)(x+2)Q(x)+ax+b~\cdots{\large ①}$$
ここで、\(P(x)\) を \(x-1\) で割ったときの余りが \(5\) より、$$~~~P(1)=5~\cdots{\large ②}$$
\(P(x)\) を \(x+2\) で割ったときの余りが \(-1\) より、$$~~~P(-2)=-1~\cdots{\large ③}$$
したがって、①に \(x=1\) を代入すると、②の式より、$$~~~P(1)=a\cdot1+b=5$$$$\hspace{ 55 pt}a+b=5~\cdots{\large ④}$$
また、①に \(x=-2\) を代入すると、③の式より、$$~~~P(-2)=a\cdot(-2)+b=-1$$$$\hspace{ 65 pt}-2a+b=-1~\cdots⑤$$
よって、④-⑤より、$$~~~(a+b)-(-2a+b)=5-(-1)$$$$\hspace{ 30 pt}a+b+2a-b=5+1$$$$\hspace{ 82 pt}3a=6$$$$\hspace{ 87 pt}a=2$$これを④に代入すると、$$~~~2+b=5$$$$\hspace{ 25 pt}b=5-3$$$$\hspace{ 25 pt}b=2$$
よって、答えは \(2x+3\) となります。
今回のまとめ
多項式を2次式で割ったときの余りの式の求め方は、2つの剰余の定理を用いた式を利用して解いていきましょう。