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無限級数

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無限級数の解法

Point:無限級数■ 無限級数
無限数列 \(\{a_n\}\) について、
無限級数 \(S\) は、

$$S=\sum_{n=1}^{\infty}a_n$$$$~~=a_1+a_2+a_3+\cdots+a_n+\cdots$$

と表されます。
 
■ 無限級数の求め方
第 \(n\) 項までの部分和 \(S_n\) を求める。

$$S_n=\sum_{k=1}^{n}a_k=a_1+a_2+a_3+\cdots+a_n$$

その部分和 \(S_n\) の極限値を求める。

$$S=\lim_{n\to\infty}S_n$$

その極限の収束・発散が無限級数の収束・発散と一致します。
 
■ 数列の極限と無限級数
部分和の計算ができない(難しい)場合は次の性質を利用して解きましょう。
① 無限数列 \(\{a_n\}\) の一般項 \(a_n\) の極限値を求める。
その極限値が \(0\) に収束しないとき、その無限数列の無限級数は発散する。

$$\lim_{n\to\infty}a_n\neq 0$$\(~~~~~~\Leftrightarrow~S_n\) は発散する$$\lim_{n\to\infty}a_n= 0$$\(~~~~~~\Leftrightarrow~S_n\) は収束する

 

問題解説:無限級数

問題解説(1)

問題次の無限級数の収束・発散を調べ収束する場合はその和を求めよ。$${\small (1)}~1^2+2^2+3^2+\cdots+n^2+\cdots$$

この数列の部分和の計算は困難なので、この数列の一般項が \(a_n=n^2\) であることより、$$~~~~~~\lim_{n\to\infty}a_n$$$$~=\lim_{n\to\infty}n^2=\infty$$したがって、\(0\) に収束しないので、与えられた無限級数は発散します。
 


【別解】
この数列の第 \(n\) 項までの部分和 \(S_n\) は、$$\hspace{ 10 pt}S_n=1^2+2^2+3^2+\cdots+n^2$$$$\hspace{ 25 pt}=\sum_{k=1}^{n}k^2$$$$\hspace{ 25 pt}=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$$この部分和の数列 \(\{S_n\}\) の極限を求めると、$$~~~~~~\lim_{n\to\infty}S_n$$$$~=\lim_{n\to\infty}\left\{\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)\right\}$$$$~=\infty$$数列 \(\{S_n\}\) が発散するので、与えられた無限級数も発散します。

 

問題解説(2)

問題$${\small (2)}~\frac{1}{\,2\,}+\frac{2}{\,3\,}+\frac{3}{\,4\,}+\cdots\frac{n}{\,n+1\,}\cdots$$

この数列の部分和の計算は困難なので、一般項が \(a_n={\Large \frac{n}{\,n+1\,}}\) であることより、$$~~~~~~\lim_{n\to\infty}a_n$$$$~=\lim_{n\to\infty}\frac{n}{\,n+1\,}$$このままだと、\({\Large \frac{\infty}{\infty}}\) の不定形となるので、分母の最高次数の項 \(n\) で分母分子のすべての項をわり算すると、$$~=\lim_{n\to\infty}\frac{{\Large \frac{n}{n}}}{{\Large \frac{n}{n}}+{\Large \frac{1}{n}}}$$$$~=\lim_{n\to\infty}\frac{1}{1+{\Large \frac{1}{n}}}$$ここで、\(n\to\infty\) のとき \({\Large \frac{1}{\,n\,}}\to 0\) となるので、$$~=\frac{1}{1+0}$$$$~=1$$したがって、\(0\) に収束しないので、与えられた無限級数は発散します。

 

問題解説(3)

問題$${\small (3)}~\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{\,(2n-1)(2n+1)\,}$$

この数列の第 \(n\) 項までの部分和 \(S_n\) は、$$\hspace{ 10 pt}S_n=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{\,(2k-1)(2k+1)\,}$$


この分数式を2つの分数式の差にして考えると、$$~~~~~~\frac{1}{2k-1}-\frac{1}{2k+1}$$これを通分すると、$$~=\frac{(2k+1)-(2k-1)}{(2k-1)(2k+1)}$$$$~=\frac{2k+1-2k+1}{(2k-1)(2k+1)}$$$$~=\frac{2}{(2k-1)(2k+1)}$$分子が \(2\) となるので、両辺に \({\Large \frac{1}{2}}\) をかけると、$$~~~~~\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2k-1}-\frac{1}{2k+1}\right)$$$$~=\frac{1}{2}\left\{\frac{2}{(2k-1)(2k+1)}\right\}$$よって、もとの分数式は、$$~\frac{1}{(2k-1)(2k+1)}=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2k-1}-\frac{1}{2k+1}\right)$$と分解できます。


よって、部分和の計算は$$~~~S_n=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2k-1}-\frac{1}{2k+1}\right)$$ここで、すべての項を書き並べると、$$\hspace{ 22 pt}=\frac{1}{2}\biggl\{\left(\frac{1}{1}-\frac{1}{3}\right)$$$$\hspace{ 40 pt}+\left(\frac{1}{3}-\frac{1}{5}\right)$$$$\hspace{ 40 pt}+\left(\frac{1}{5}-\frac{1}{7}\right)$$$$\hspace{ 40 pt}+~\cdot~\cdot~\cdot$$$$\hspace{ 40 pt}+\left(\frac{1}{2n-1}-\frac{1}{2n+1}\right)\biggl\}$$対応する項が消えていき、$$\hspace{ 22 pt}=\frac{1}{2}\left(1-\frac{1}{2n+1}\right)$$この部分和 \(S_n\) の極限を求めると、$$\hspace{ 10 pt}\lim_{n\to\infty}S_n=\lim_{n\to\infty}\frac{1}{2}\left(1-\frac{1}{2n+1}\right)$$ここで、\(n\to\infty\) のとき、\({\Large \frac{1}{2n+1}}\to 0\) となるので、$$\hspace{ 43 pt}=\frac{1}{2}(1-0)$$$$\hspace{ 43 pt}=\frac{1}{\,2\,}$$数列の和 \(\{S_n\}\) が収束するので、与えられた無限級数の和は \({\Large \frac{1}{\,2\,}}\) となります。

 

問題解説(4)

問題$${\small (4)}~\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{\,\sqrt{n+1}+\sqrt{n}\,}$$

この数列の第 \(n\) 項までの部分和 \(S_n\) は、$$\hspace{ 10 pt}S_n=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{\,\sqrt{k+1}+\sqrt{k}\,}$$分母分子に \(\sqrt{k+1}-\sqrt{k}\) をかけると、$$\hspace{ 23 pt}=\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{\sqrt{k+1}+\sqrt{k}}\times\frac{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}$$$$\hspace{ 23 pt}=\sum_{k=1}^{n}\frac{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}{(\sqrt{k+1})^2-(\sqrt{k})^2}$$$$\hspace{ 23 pt}=\sum_{k=1}^{n}\frac{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}{(k+1)-k}$$$$\hspace{ 23 pt}=\sum_{k=1}^{n}\left(\sqrt{k+1}-\sqrt{k}\right)$$ここで、すべての項を書き並べると、$$\hspace{ 23 pt}=(\sqrt{2}-\sqrt{1})$$$$\hspace{ 25 pt}+(\sqrt{3}-\sqrt{2})$$$$\hspace{ 25 pt}+(\sqrt{4}-\sqrt{3})$$$$\hspace{ 25 pt}+~\cdot~\cdot~\cdot$$$$\hspace{ 25 pt}+(\sqrt{n+1}-\sqrt{n})$$対応する項が消えていき、$$\hspace{ 23 pt}=\sqrt{n+1}-1$$この部分和の数列 \(\{S_n\}\) の極限を求めると、$$\hspace{ 10 pt}\lim_{n\to\infty}S_n=\lim_{n\to\infty}\left(\sqrt{n+1}-1\right)$$$$\hspace{ 40 pt}=\infty$$数列の和 \(S_n\) が発散するので、与えられた無限級数も発散します。

 

今回のまとめ

無限級数はまず部分和を求めて、その部分和の極限値を求める方法で計算しましょう。また、数列の一般項の極限値の条件や分数式・平方根を含む式の部分和の求め方も覚えておきましょう。

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