点を中心とする回転の解法
これを点 \({\rm A}(\alpha)\) が原点にくるように平行移動させると、点 \({\rm B}(\beta)\) と点 \({\rm C}(z)\) はそれぞれ \(\beta-\alpha\) と \(z-\alpha\) に平行移動される。
よって、点 \({\rm C’}(z-\alpha)\) は、点 \({\rm B’}(\beta-\alpha)\) を \(\theta\) 回転した点となるので、$$~~~z-\alpha=(\cos{\theta}+i\sin{\theta})(\beta-\alpha)$$よって、\(z\) は、
問題解説:点を中心とする回転
問題解説(1)
\({\small (1)}~\)点 \({\rm A}(1+i)\) を中心として、点 \({\rm B}(3+2i)\) を \({\large \frac{\,\pi\,}{\,6\,}}\) 回転させた点 \({\rm C}\) を複素数で表せ。
\(\alpha=1+i~,~\beta=3+2i\) とし、点 \({\rm C}\) の表す複素数を \(z\) とする。
これを、点 \({\rm A}(\alpha)\) が原点にくるように平行移動させると、\(\beta\) と \(z\) はそれぞれ、$$~~~\beta-\alpha~,~z-\alpha$$となる。
よって、\(z-\alpha\) は \(\beta-\alpha\) を \({\large \frac{\,\pi\,}{\,6\,}}\) 回転した点となるので、$$~~~z-\alpha=\left(\cos{\frac{\,\pi \,}{\,6 \,}}+i\sin{\frac{\,\pi \,}{\,6 \,}}\right)(\beta-\alpha)$$\(\alpha\) を移項して、$$~~~z=\left(\cos{\frac{\,\pi \,}{\,6 \,}}+i\sin{\frac{\,\pi \,}{\,6 \,}}\right)(\beta-\alpha)+\alpha$$ここで、$$~~~~~~\beta-\alpha$$$$~=(3+2i)-(1+i)=2+i$$また、\(\sin{}~,~\cos{}\) を計算すると、単位円より、
これらより、\(z\) は、$$~~~~~~z$$$$~=\left(\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}+\frac{\,1 \,}{\,2 \,}i\right)(2+i)+(1+i)$$$$~=\sqrt{3}+\frac{\,\sqrt{3} \,}{\, 2\,}i+i+\frac{\,1 \,}{\,2 \,}i^2+1+i$$\(i^2=-1\) より、$$~=\sqrt{3}-\frac{\,1 \,}{\, 2\,}+1+\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i+i+i$$$$~=\frac{\,2\sqrt{3}+1 \,}{\,2 \,}+\frac{\, \sqrt{3}+4\,}{\,2 \,}i$$したがって、点 \({\rm C}\) を表す複素数は、$$~~~\frac{\,2\sqrt{3}+1 \,}{\,2 \,}+\frac{\, \sqrt{3}+4\,}{\,2 \,}i$$となる。
問題解説(2)
\({\small (2)}~\)点 \({\rm A}(1+2i)\) を中心として、点 \({\rm B}(5+4i)\) を \({\large \frac{\,\pi\,}{\,2\,}}\) 回転させた点 \({\rm C}\) を複素数で表せ。
\(\alpha=1+2i~,~\beta=5+4i\) とし、点 \({\rm C}\) の表す複素数を \(z\) とする。
これを、点 \({\rm A}(\alpha)\) が原点にくるように平行移動させると、\(\beta\) と \(z\) はそれぞれ、$$~~~\beta-\alpha~,~z-\alpha$$となる。
よって、\(z-\alpha\) は \(\beta-\alpha\) を \({\large \frac{\,\pi\,}{\,2\,}}\) 回転した点となるので、$$~~~z-\alpha=\left(\cos{\frac{\,\pi \,}{\,2 \,}}+i\sin{\frac{\,\pi \,}{\,2\,}}\right)(\beta-\alpha)$$\(\alpha\) を移項して、$$~~~z=\left(\cos{\frac{\,\pi \,}{\,2 \,}}+i\sin{\frac{\,\pi \,}{\,2\,}}\right)(\beta-\alpha)+\alpha$$ここで、$$~~~~~~\beta-\alpha$$$$~=(5+4i)-(1+2i)=4+2i$$また、\(\sin{}~,~\cos{}\) を計算すると、単位円より、
これらより、\(z\) は、$$~~~~~~z$$$$~=(0+i\cdot 1)(4+2i)+(1+2i)$$$$~=i(4+2i)+(1+2i)$$$$~=4i+2i^2+1+2i$$\(i^2=-1\) より、$$~=4i-2+1+2i$$$$~=-1+6i$$したがって、点 \({\rm C}\) を表す複素数は、\(-1+6i\) となる。
今回のまとめ
原点以外の点を中心として回転させるときは、まずは原点まで平行移動させる解法をおさえておきましょう。