オンライン家庭教師生徒募集中!詳しくはこちらから!

1のn乗根

スポンサーリンク
スポンサーリンク

1のn乗根の解法

Point:1のn乗根方程式 \(z^n=1\) の解は、
① 解 \(z\) を、$$~~~z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})$$とおく。ただし、\(r\gt0\)
② \(z^n\) をド・モアブルの定理より求める。$$~~~z^n=r^n(\cos{n\theta}+i\sin{n\theta})$$③ 右辺の \(1\) を極形式で表す。

絶対値 \(1\) 、偏角 \(0\) より、$$~~~1=\cos{0}+i\sin{0}$$④ \(z^n=1\) より、②と③の式を比較すると、
絶対値は \(r^n=1\)
 \(r\gt0\) より、\(r=1\)
偏角は、三角関数の周期性を考えて、\(k\) を整数として、$$~~~n\theta=0+2\pi\times k$$⑤ \(0≦\theta\lt2\pi\) の範囲に含まれるように \(k\) の値を考え \(\theta\) を求める。
\(r\) と \(\theta\) を①に代入して、\(z\) を求める。

 

問題解説:1のn乗根

問題解説(1)

問題次の問いに答えよ。
\({\small (1)}~\)1の \(4\) 乗根を方程式 \(z^4=1\) より求めよ。

\(z^4=1\) の解 \(z\) を、$$~~~z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})~~~\cdots~{\large ①}$$とおく。ただし、\(r\gt0\)
\(z^4\) はド・モアブルの定理より、$$~~~z^4=r^4(\cos{4\theta}+i\sin{4\theta})~~~\cdots~{\large ②}$$
また、右辺の \(1\) を極形式で表すと、$$~~~1=\cos{0}+i\sin{0}~~~\cdots~{\large ③}$$\(z^4=1\) より、②と③を比較すると、
絶対値は、\(r^4=1\)
\(r\gt0\) であるので、\(r=1\)

また、偏角は \(k\) を整数として、$$~~~4\theta=0+2\pi \times k$$$$~~~4\theta=2k\pi$$両辺を \(4\) で割ると、$$~~~\theta=\frac{\,k \,}{\,2 \,}\pi$$\(0≦\theta\lt2\pi\) の範囲で考えると、

\(k=0\) のとき、\(\theta=0\)
\(k=1\) のとき、\(\theta={\large \frac{\,\pi\,}{\,2\,}}\)
\(k=2\) のとき、\(\theta=\pi\)
\(k=3\) のとき、\(\theta={\large \frac{\,3\,}{\,2\,}}\pi\)
 
よって、それぞれの場合で①に代入し \(z\) を求めると、
\(k=0\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{0}+i\sin{0}\right)$$$$~~~~~=1+i\times 0=1$$\(k=1\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\frac{\,\pi \,}{\,2 \,}}+i\sin{\frac{\,\pi \,}{\,2 \,}}\right)$$$$~~~~~=0+i\times 1=i$$\(k=2\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\pi}+i\sin{\pi}\right)$$$$~~~~~=-1+i\times 0=-1$$\(k=3\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\frac{\,3\,}{\,2 \,}\pi}+i\sin{\frac{\,3 \,}{\,2 \,}\pi}\right)$$$$~~~~~=0+i\times (-1)=-i$$
 
したがって、答えは$$~~~z=1~,~-1~,~i~,~-i$$まとめると、$$~~~z=\pm1~,~\pm i$$となる。

 



問題解説(2)

問題次の問いに答えよ。
\({\small (2)}~\)1の \(6\) 乗根を方程式 \(z^6=1\) より求めよ。

\(z^6=1\) の解 \(z\) を、$$~~~z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})~~~\cdots~{\large ①}$$とおく。ただし、\(r\gt0\)
\(z^6\) はド・モアブルの定理より、$$~~~z^6=r^6(\cos{6\theta}+i\sin{6\theta})~~~\cdots~{\large ②}$$
また、右辺の \(1\) を極形式で表すと、$$~~~1=\cos{0}+i\sin{0}~~~\cdots~{\large ③}$$\(z^4=1\) より、②と③を比較すると、
絶対値は、\(r^6=1\)
\(r\gt0\) であるので、\(r=1\)

また、偏角は \(k\) を整数として、$$~~~6\theta=0+2\pi \times k$$$$~~~6\theta=2k\pi$$両辺を \(6\) で割ると、$$~~~\theta=\frac{\,k \,}{\,3 \,}\pi$$\(0≦\theta\lt2\pi\) の範囲で考えると、

\(k=0\) のとき、\(\theta=0\)
\(k=1\) のとき、\(\theta={\large \frac{\,\pi\,}{\,3\,}}\)
\(k=2\) のとき、\(\theta={\large \frac{\,2\,}{\,3\,}}\pi\)
\(k=3\) のとき、\(\theta=\pi\)
\(k=4\) のとき、\(\theta={\large \frac{\,4\,}{\,3\,}}\pi\)
\(k=5\) のとき、\(\theta={\large \frac{\,5\,}{\,3\,}}\pi\)
 
よって、それぞれの場合で①に代入し \(z\) を求めると、
\(k=0\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{0}+i\sin{0}\right)$$$$~~~~~=1+i\times 0=1$$\(k=1\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\frac{\,\pi \,}{\,3 \,}}+i\sin{\frac{\,\pi \,}{\,3 \,}}\right)$$$$~~~~~=\frac{\,1 \,}{\,2 \,}+\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i$$\(k=2\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\frac{\,2 \,}{\,3 \,}\pi}+i\sin{\frac{\,2 \,}{\,3 \,}\pi}\right)$$$$~~~~~=-\frac{\,1 \,}{\,2 \,}+\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i$$\(k=3\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\pi}+i\sin{\pi}\right)$$$$~~~~~=-1+i\times 0=-1$$\(k=4\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\frac{\,4 \,}{\,3 \,}\pi}+i\sin{\frac{\,4 \,}{\,3 \,}\pi}\right)$$$$~~~~~=-\frac{\,1 \,}{\,2 \,}-\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i$$\(k=5\) のとき、$$~~~z=1\cdot\left(\cos{\frac{\,5 \,}{\,3 \,}\pi}+i\sin{\frac{\,5 \,}{\,3 \,}\pi}\right)$$$$~~~~~=-\frac{\,1 \,}{\,2 \,}-\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i$$
 
したがって、答えは$$~~~z=1~,~-1$$$$~~~~~~~~,~\frac{\,1 \,}{\,2 \,}+\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i~,~-\frac{\,1 \,}{\,2 \,}+\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i$$$$~~~~~~~~,~\frac{\,1 \,}{\,2 \,}-\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i~,~-\frac{\,1 \,}{\,2 \,}-\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i$$まとめると、$$~~~z=\pm1~,~\pm \frac{\,1 \,}{\,2 \,}\pm\frac{\,\sqrt{3} \,}{\,2 \,}i$$となる。

 

今回のまとめ

1のn乗根の求め方について解説しました。ド・モアブルの定理を用いる方法と、三角関数の周期性より \(\theta\) の値を求めることがポイントです。

【問題一覧】数学Ⅲ|複素数平面
このページは「高校数学Ⅲ:複素数平面」の問題一覧ページとなります。解説の見たい単元名がわからないとき...