確率の乗法定理の解法
\( \rm A\) が起こる条件で \( \rm B\) が起こる確率 \( {\rm P_{A}(B)} \) は、条件付き確率の式より、
この式は、\( {\rm P(A)} \) が全事象となり、\( {\rm P(A \cap B)} \) が求める事象となっていと考えます。
・確率の乗法定理
条件付き確率の式より、$$~~~{\rm P_{A}(B)}=\frac{{\rm P(A \cap B)}}{{\rm P(A)}}$$式変形すると、
これは、\( \rm A\) かつ \( \rm B\) が起こる確率を、
で求めることを意味しています。
問題解説:確率の乗法定理
Aが当たる確率 \( {\rm P(A)} \) は、10本中当たりが3本より、$$~~~{\rm P(A)}=\frac{3}{10}$$よって、\( {\Large \frac{3}{10}}\) となります。
Bが当たる確率を \( {\rm P(B)} \) とすると、Bが当たるのは、
(ⅰ) Aが当たりを引き、Bも当たる
(ⅱ) Aが外れを引き、Bが当たる
に分けられます。
(ⅰ) Aが当たりを引き、Bも当たるとき
Aが当たった条件でBが当たる確率 \( {\rm P_{A}(B)} \) は、9本中当たりが2本あるので、$$~~~{\rm P_{A}(B)}=\frac{2}{9}$$よって、AもBも当たる確率 \( {\rm P(A \cap B)} \) は、$$~~~{\rm P(A \cap B)}={\rm P(A)} \times {\rm P_{A}(B)}$$$$\hspace{50pt} =\frac{3}{10} \times \frac{2}{9}$$$$\hspace{50pt} =\frac{1}{15}$$よって、\( {\Large \frac{1}{15}}\) となります。
(ⅱ) Aが外れを引き、B当たるとき
Aが外れを引く確率は、余事象の確率より、$$~~~{\rm P(\overline {A})}=1-{\rm P(A)}$$$$\hspace{32pt} =1-\frac{3}{10}$$$$\hspace{32pt} =\frac{7}{10}$$
Aが外れを引く条件でBが当たる確率 \( {\rm P_{\overline {A}}(B)} \) は、9本中当たりが3本あるので、$$~~~{\rm P_{\overline {A}}(B)}=\frac{3}{9}=\frac{1}{3}$$
よって、Aが外れを引きBが当たる確率 \( {\rm P(\overline{A} \cap B)} \) は、$$~~~{\rm P(\overline{A} \cap B)}={\rm P(\overline{A})} \times {\rm P_{\overline{A}}(B)}$$$$\hspace{50pt} =\frac{7}{10} \times \frac{1}{3}$$$$\hspace{50pt} =\frac{7}{30}$$よって、\( {\Large \frac{7}{30}}\) となります。
(ⅰ)と(ⅱ)は互いに排反であるので、Bが当たる確率 \( {\rm P(B)} \) は、$${\rm P(B)}={\rm P(A \cap B)}+{\rm P(\overline{A} \cap B)}$$$$\hspace{24pt} =\frac{1}{15}+\frac{7}{30}$$$$\hspace{24pt} =\frac{2+7}{30}$$$$\hspace{24pt} =\frac{9}{30}$$$$\hspace{24pt} =\frac{3}{10}$$
したがって、Aが当たる確率もBが当たる確率も \( {\Large \frac{3}{10}}\) となります。
今回のまとめ
確率の乗法定理の問題として、この問題はパターンとしてそのまま覚えておきましょう。場合分けの方法がポイントとなります!