直線のベクトル方程式の解法
この直線上の任意の位置ベクトル \(\overrightarrow{p}=(x~,~y)\) は、媒介変数 \(t\) を用いたベクトル方程式で表すことができます。
よって、成分で表すと、
(2) 異なる2点 \({\rm A}(x_a~,~y_a)~,~{\rm B}(x_b~,~y_b)\) を通る直線のベクトル方程式は、
媒介変数 \(t\) を用いて
となります。
また、2つの媒介変数を用いて、
と表すことができます。
問題解説:直線のベクトル方程式
問題解説(1)
\({\small (1)}\) 点 \({\rm A}(3~,~4)\) を通り、\(\overrightarrow{d}=(2~,~-1)\) が方向ベクトルである直線の方程式を媒介変数表示で表せ。また、媒介変数を消去した式で表せ。
直線のベクトル方程式より、媒介変数 \(t\) を用いた直線の式は、$$\hspace{ 10 pt}\left(\begin{array} {c} x \\ y \end{array}\right)=\left(\begin{array} {c} 3 \\ 4 \end{array}\right)+t\left(\begin{array} {c} 2 \\ -1 \end{array}\right)$$$$\hspace{36 pt}=\left(\begin{array} {c} 3 \\ 4 \end{array}\right)+\left(\begin{array} {c} 2t \\ -t \end{array}\right)$$$$\hspace{ 36 pt}=\left(\begin{array} {c} 3+2t \\ 4-t \end{array}\right)$$よって、$$~~~\biggl\{~ \begin{eqnarray} x=3+2t~~~\cdots{\Large ①} \\ y=4-t~~~\cdots{\Large ②} \end{eqnarray}$$となります。
また、媒介変数 \(t\) を消去すると、
②より、$$\hspace{ 10 pt}y=4-t$$移項すると、$$\hspace{ 10 pt}t=4-y$$これを①に代入すると、$$\hspace{ 10 pt}x=3+2(4-y)$$$$\hspace{ 10 pt}x=3+8-2y$$$$\hspace{ 10 pt}x=11-2y$$移項すると、$$\hspace{ 10 pt}x+2y-11=0$$
よって、答えは$$~~~\biggl\{~ \begin{eqnarray} x=3+2t \\ y=4-t\end{eqnarray}$$$$~~~x+2y-11=0$$となります。
問題解説(2)
直線のベクトル方程式より、媒介変数 \(t\) を用いた直線の方程式は、$$\hspace{ 10 pt}\left(\begin{array} {c} x \\ y \end{array}\right)=(1-t)\left(\begin{array} {c} 1 \\ 3 \end{array}\right)+t\left(\begin{array} {c} -2 \\ 1 \end{array}\right)$$$$\hspace{ 36 pt}=\left(\begin{array} {c} 1-t \\ 3-3t \end{array}\right)+\left(\begin{array} {c} -2t \\ t \end{array}\right)$$$$\hspace{ 36 pt}=\left(\begin{array} {c} 1-t-2t \\ 3-3t+t \end{array}\right)$$$$\hspace{ 36 pt}=\left(\begin{array} {c} 1-3t \\ 3-2t \end{array}\right)$$よって、$$~~~\biggl\{~ \begin{eqnarray} x=1-3t~~~\cdots{\Large ①} \\ y=3-2t~~~\cdots{\Large ②} \end{eqnarray}$$
また、媒介変数 \(t\) を消去すると、
①×2−②×3より、$$\hspace{ 10 pt}2x-3y=(1-3t)\cdot2-(3-2t)\cdot3$$$$\hspace{ 10 pt}2x-3y=2-6t-9+6t$$$$\hspace{ 10 pt}2x-3y=-7$$移項すると、$$\hspace{ 10 pt}2x-3y+7=0$$
よって、答えは$$~~~\biggl\{~ \begin{eqnarray} x=1-3t \\ y=3-2t \end{eqnarray}$$$$~~~2x-3y+7=0$$となります。
今回のまとめ
直線のベクトル方程式は、直線上の任意の位置ベクトルの表し方と直線の方程式の媒介変数表示を覚えておきましょう。