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対称式

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対称式の解法

Point:対称式の値\(a^2+b^2\) のように、\(a\) と \(b\) を入れ替えても、もとの式と同じになる式を「対称式」という。


■ 対称式の値の求め方
基本対称式 \(a+b\) と \(ab\) の値を求める。
値を求める対称式を式変形して、基本対称式だけを用いて表す。



\(\begin{split}&a^2+b^2=(a+b)^2-2ab
\\[2pt]&a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)
\\[2pt]&a^2b+ab^2=ab(a+b)
\\[4pt]&{ \frac{\,1\,}{\,a\,}}+{ \frac{\,1\,}{\,b\,}}={ \frac{\,a+b\,}{\,ab\,}}
\\[4pt]&{ \frac{\,b\,}{\,a\,}}+{\frac{\,a\,}{\,b\,}}={ \frac{\,(a+b)^2-2ab\,}{\,ab\,}}
\end{split}\)



基本対称式の値を代入して、値を求める。


©︎ 2024 教科書より詳しい高校数学 yorikuwa.com

 

問題解説:対称式

問題解説(1)

問題\(a={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}+1}}~,~b={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}-1}} \)のとき、次の式の値を求めよ。$${\small (1)}~a+b$$

\(a\) と \(b\) をそれぞれ有理化し計算しておきましょう。$$~~~a={\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}+1}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}+1}}\times{\frac{\sqrt{2}-1}{\sqrt{2}-1}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{3}(\sqrt{2}-1)}{(\sqrt{2}+1)(\sqrt{2}-1)}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{3}\times\sqrt{2}-\sqrt{3}\times1}{(\sqrt{2})^2-1^2}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{6}-\sqrt{3}}{2-1}}$$$$~~~~~=\sqrt{6}-\sqrt{3}$$次に \(b\) を計算すると、$$~~~b={\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}-1}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}-1}}\times{\frac{\sqrt{2}+1}{\sqrt{2}+1}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{3}(\sqrt{2}+1)}{(\sqrt{2}-1)(\sqrt{2}+1)}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{3}\times\sqrt{2}+\sqrt{3}\times1}{(\sqrt{2})^2-1^2}}$$$$~~~~~={\frac{\sqrt{6}+\sqrt{3}}{2-1}}$$$$~~~~~=\sqrt{6}+\sqrt{3}$$よって、\(a+b\) を計算すると、$$~~~~~~a+b$$$$~=(\sqrt{6}-\sqrt{3})+(\sqrt{6}+\sqrt{3})$$$$~=\sqrt{6}-\sqrt{3}+\sqrt{6}+\sqrt{3}=2\sqrt{6}$$答えは、\(2\sqrt{6}\) となります。

 

問題解説(2)

問題\(a={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}+1}}~,~b={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}-1}} \)のとき、次の式の値を求めよ。$${\small (2)}~ab$$

\(a=\sqrt{6}-\sqrt{3}~,~b=\sqrt{6}+\sqrt{3}\) であることより、$$~~~~~~ab$$$$~=(\sqrt{6}-\sqrt{3})(\sqrt{6}+\sqrt{3})$$$$~=(\sqrt{6})^2-(\sqrt{3})^2$$$$~=6-3=3$$答えは、\(3\) となります。

 

問題解説(3)

問題\(a={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}+1}}~,~b={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}-1}} \)のとき、次の式の値を求めよ。$${\small (3)}~\frac{1}{a}+\frac{1}{b}$$

この問題は、\({\Large \frac{1}{a}}+{\Large \frac{1}{b}}\) を通分して基本対称式を用いて表して計算しましょう。$$~~~~~~\frac{1}{a}+\frac{1}{b}$$$$~=\frac{b}{ab}+\frac{a}{ab}$$$$~=\frac{a+b}{ab}$$ここで、\(a+b=2\sqrt{6}~,~ab=3\) より代入すると、$$~=\frac{2\sqrt{6}}{3}$$答えは、\({\Large \frac{2\sqrt{6}}{3}}\) となります。

 

問題解説(4)

問題\(a={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}+1}}~,~b={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}-1}} \)のとき、次の式の値を求めよ。$${\small (4)}~a^2+b^2$$

この問題ではそのまま代入するのではなく、(1)と(2)で求めた基本対称式用いて表して計算しましょう。
まず、因数分解の式 \(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\) より、\(a^2+b^2=(a+b)^2-2ab\) となります。この式を利用すると、$$~~~~~~a^2+b^2$$$$~=(a+b)^2-2ab$$ここで、\(a+b=2\sqrt{6}~,~ab=3\) より代入すると、$$~=(2\sqrt{6})^2-2\cdot 3$$$$~=24-6=18$$答えは、\(18\) となります。

 

問題解説(5)

問題\(a={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}+1}}~,~b={\Large \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}-1}} \)のとき、次の式の値を求めよ。$${\small (5)}~a^3+b^3$$

この式でも基本対称式を用いて表して計算しましょう。
因数分解の式 \(a^3+3a^2b+3ab^2+b^3=(a+b)^3\) より、$$~~~~~~a^3+b^3$$$$~=(a+b)^3-3a^2b-3ab^2$$$$~=(a+b)^3-3ab(a+b)$$となります。この式を利用すると、$$~~~~~~a^3+b^3$$$$~=(a+b)^3-3ab(a+b)$$ここで、\(a+b=2\sqrt{6}~,~ab=3\) より代入すると、$$~=(2\sqrt{6})^3-3\cdot 3\cdot 2\sqrt{6}$$$$~=48\sqrt{6}-18\sqrt{6}=30\sqrt{6}$$答えは、\(30\sqrt{6}\) となります。

 

今回のまとめ

対称式について解説していきました。基本対称式 \(a+b~,~ab\) で表せば代入する計算が楽になります。式変形の方法もあわせて覚えておきましょう。

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