文字係数を含む2次関数の最大値・最小値
② 定義域の両端とその中点の位置を考えて図にします。
\(s≦x≦t\) のとき、中点 \(m\) は、$$~~~m=\frac{s+t}{2}$$これより、
この図の(1)〜(5)の場合のそれぞれの位置に軸の方程式 \(x=p\) があるとき、最大値と最小値をとる \(x\) の値を考え表にまとめます。
③ 表より、最大値と最小値を求めます。
問題解説:文字係数を含む2次関数の最大値・最小値
与えられた関数を平方完成すると、$$\hspace{ 10 pt}y=x^2-2ax+5$$$$\hspace{ 18 pt}=x^2-2ax+a^2-a^2+5$$$$\hspace{ 18 pt}=(x-a)^2-a^2+5$$よって、頂点の座標は、$$~~~(a~,~-a^2+5)$$となります。
また、定義域が \(0≦x≦4\) であることより、その両端の値の中点は、$$~~~\frac{0+4}{2}=\frac{4}{2}=2$$となります。
この3点の値より、5つの場合に分けると、
よって、
(1) 軸が \(a<0\) の範囲にあるとき、
グラフより、
\(x=4\) で最大値、\(x=0\) で最小値となります。
(2) 軸が \(0<a<2\) の範囲にあるとき、
グラフより、
\(x=4\) で最大値、\(x=a\) で最小値となります。
(3) 軸が \(a=2\) の範囲にあるとき、
グラフより、
\(x=0~,~4\) で最大値、\(x=a\) で最小値となります。
(4) 軸が \(2<a<4\) の範囲にあるとき、
グラフより、
\(x=0\) で最大値、\(x=a\) で最小値となります。
(5) 軸が \(4<a\) の範囲にあるとき、
グラフより、
\(x=0\) で最大値、\(x=4\) で最小値となります。
これらを表にまとめると、
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | |
最大値 | \(a<2\) \(x=4\) |
\(a=2\) \(x=0~,~4\) |
\(2<a\) \(x=0\) |
||
最小値 | \(a<0\) \(x=0\) |
\(0≦a≦4\) \(x=a\) |
\(4<a\) \(x=4\) |
これより、最大値は、
( ⅰ ) \(a<2\) のとき
\(x=4\) で最大値となり、その値は、$$\hspace{ 10 pt}y=4^2-2a\cdot4+5$$$$\hspace{ 18 pt}=16-8a+5$$$$\hspace{ 18 pt}=21-8a$$
( ⅱ ) \(a=2\) のとき
\(x=0~,~4\) で最大値となり、その値は、$$\hspace{ 10 pt}y=0^2-2\cdot2\cdot0+5$$$$\hspace{ 18 pt}=5$$
( ⅲ ) \(a>2\) のとき
\(x=0\) で最大値となり、その値は、$$\hspace{ 10 pt}y=0^2-2\cdot a \cdot0+5$$$$\hspace{ 18 pt}=5$$
また、最小値は、
( ⅰ ) \(a<0\) のとき
\(x=0\) で最小値となり、その値は、$$\hspace{ 10 pt}y=0^2-2\cdot a \cdot0+5$$$$\hspace{ 18 pt}=5$$
( ⅱ ) \(0≦a≦4\) のとき
\(x=a\) で最小値となり、その値は頂点の \(y\) 座標より、$$\hspace{ 10 pt}y=-a^2+5$$
( ⅲ ) \(a>4\) のとき
\(x=4\) で最小値となり、その値は、$$\hspace{ 10 pt}y=4^2-2a\cdot4+5$$$$\hspace{ 18 pt}=16-8a+5$$$$\hspace{ 18 pt}=21-8a$$
したがって、答えは
最大値が
( ⅰ ) \(a<2\) のとき$$~~~21-8a~~~(x=4)$$( ⅱ ) \(a=2\) のとき$$~~~5~~~(x=0~,~4)$$( ⅲ ) \(a>2\) のとき$$~~~5~~~(x=0)$$最小値が
( ⅰ ) \(a<0\) のとき$$~~~5~~~(x=0)$$( ⅱ ) \(0≦a≦4\) のとき$$~~~-a^2+5~~~(x=a)$$( ⅲ ) \(a>4\) のとき$$~~~21-8a~~~(x=4)$$となります。
今回のまとめ
文字係数の2次関数の最大値・最小値は、非常に重要な問題になります。定義域の両端とその中点の位置より場合分けができるようになりましょう。