三角比の相互関係の公式(鋭角)
・相互関係の公式の使い方
( ⅰ ) \(\sin{\theta}\) (または \(\cos{\theta}\) ) が与えられたとき
① (1)の公式より、\(\cos{\theta}\) (または \(\sin{\theta}\) ) の値を求めます。
② (2)の公式より、\(\tan{\theta}\) の値を求めます。
( ⅱ ) \(\tan{\theta}\) が与えられたとき
① (3)の公式より、\(\cos{\theta}\) の値を求めます。
② (2)の公式より、\(\sin{\theta}\) の値を求めます。
\(\theta\) が鋭角 (\(0^\circ < \theta < 90^\circ\)) のとき、$$~~~\sin{\theta}>0~,~\cos{\theta}>0~,~\tan{\theta}>0$$であることに注意しましょう。
問題解説:三角比の相互関係の公式(鋭角)
問題解説(1)
\({\small (1)}\) 次の条件のとき、\(\cos{\theta}\) \(~,~\) \(\tan{\theta}\) の値を求めよ。ただし、\(0^\circ < \theta < 90^\circ \) とする。$$~~~\sin{\theta}=\frac{2}{3}$$
相互関係の公式(1)より、$$\hspace{ 10 pt}\sin^2{\theta}+\cos^2{\theta}=1$$移項すると、$$\hspace{ 10 pt}\cos^2{\theta}=1-\sin^2{\theta}$$\(\sin{\theta}\) の値を代入すると、$$\hspace{ 10 pt}\cos^2{\theta}=1-\left(\frac{2}{3}\right)^2$$$$\hspace{ 37 pt}=1-\frac{4}{9}$$$$\hspace{ 37 pt}=\frac{9-4}{9}$$$$\hspace{ 37 pt}=\frac{5}{9}$$ここで、\(0^\circ < \theta < 90^\circ\) より、\(\cos{\theta}>0\) となるので、$$\hspace{ 10 pt}\cos{\theta}=\sqrt{\frac{5}{9}}$$$$\hspace{ 33 pt}=\frac{\sqrt{5}}{3}$$また、相互関係の公式(2)より、$$~~~\tan{\theta}=\frac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$$\(\sin{\theta}~,~\cos{\theta}\) の値を代入すると、$$\hspace{ 10 pt}\tan{\theta}=\frac{{\large \frac{2}{3}}}{{\large \frac{\sqrt{5}}{3}}}$$分母分子に \(3\) をかけると、$$\hspace{ 32 pt}=\frac{{\large \frac{2}{3}}\times 3}{{\large \frac{\sqrt{5}}{3}}\times 3}$$$$\hspace{ 32 pt}=\frac{2}{\sqrt{5}}$$分母分子に \(\sqrt{5}\) をかけると、$$\hspace{ 32 pt}=\frac{2\times\sqrt{5}}{\sqrt{5}\times\sqrt{5}}$$$$\hspace{ 32 pt}=\frac{2\sqrt{5}}{5}$$よって、答えは、$$~~~\cos{\theta}=\frac{\sqrt{5}}{3}~,~\tan{\theta}=\frac{2\sqrt{5}}{5}$$となります。
問題解説(2)
\({\small (2)}\) 次の条件のとき、\(\sin{\theta}\) \(~,~\) \(\cos{\theta}\) の値を求めよ。ただし、\(\theta\) は鋭角とする。$$~~~\tan{\theta}=2\sqrt{2}$$
相互関係の公式(3)より、$$~~~1+\tan^2{\theta}=\frac{1}{\cos^2{\theta}}$$両辺を入れ替えると、$$\hspace{ 10 pt}\frac{1}{\cos^2{\theta}}=1+\tan^2{\theta}$$両辺の逆数とると、$$\hspace{ 10 pt}\cos^2{\theta}=\frac{1}{1+\tan^2{\theta}}$$ここで、\(\tan{\theta}\) の値を代入すると、$$\hspace{ 10 pt}\cos^2{\theta}=\frac{1}{1+(2\sqrt{2})^2}$$$$\hspace{ 37 pt}=\frac{1}{1+4\cdot2}$$$$\hspace{ 37 pt}=\frac{1}{1+8}$$$$\hspace{ 37 pt}=\frac{1}{9}$$ここで、\(\theta\) は鋭角より、\(\cos{\theta}>0\) となるので、$$\hspace{ 10 pt}\cos{\theta}=\sqrt{\frac{1}{9}}$$$$\hspace{ 33 pt}=\frac{1}{3}$$また、相互関係の公式(2)より、$$\hspace{ 10 pt}\tan{\theta}=\frac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}$$両辺を入れ替えると、$$\hspace{ 10 pt}\frac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}}=\tan{\theta}$$両辺に \(\cos{\theta}\) をかけると、$$\hspace{ 10 pt}\sin{\theta}=\tan{\theta}\cdot\cos{\theta}$$ここで、\(\tan{\theta}~,~\cos{\theta}\) の値を代入すると、$$\hspace{ 10 pt}\sin{\theta}=2\sqrt{2}\times\frac{1}{3}$$$$\hspace{ 32 pt}=\frac{2\sqrt{2}}{3}$$よって、答えは$$~~~\sin{\theta}=\frac{2\sqrt{2}}{3}~,~\cos{\theta}=\frac{1}{3}$$となります。
今回のまとめ
三角比の相互関係の公式は、公式を覚えるのはもちろんですが、その使い方も重要となりますのでしっかりと覚えておきましょう。