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多項定理

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多項定理の解法

Point:多項定理例えば、\((a+b+c)^6\) の展開したときの \(a^3b^2c\) の係数を求めよ。
・解法パターン1
二項定理を2回用いる解法となります。
\(\{(a+b)+c\}^6\) と考えると、\(c\) を含む項は二項定理より、\({}_{6}{\rm C}_{1}\cdot (a+b)^5 \cdot c \) となります。
また、\((a+b)^5\) を考えて \(b^2\) を含む項は二項定理より、\({}_{5}{\rm C}_{2}\cdot a^3 \cdot b^2 \) となります。以上より、\(a^3b^2c\) の項の係数は、$$~~~~~~{}_{6}{\rm C}_{1} \cdot {}_{5}{\rm C}_{2} \cdot a^3b^2c$$$$~=6\cdot10\cdot a^3b^2c$$$$~=60a^3b^2c$$よって、答えは \(60\) となります。
 
・解法パターン2
多項定理の公式を用いる解法となります。
\((a+b+c)^6\) は \((a+b+c)\) が6部屋あると考えて、6部屋から \(a\) を3か所から \(b\) を2か所から \(c\) を1か所から選んで取り出すので、 \(aaabbc\) の同じものを含む順列と同じだけ取り出し方が出てきます。
同じものを含む順列の計算をすると、 $$~~~~~~\frac{6!}{3!\cdot 2! \cdot 1!}a^3b^2c$$$$~=\frac{6\cdot5\cdot4\cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}{3\cdot 2 \cdot 1 \cdot 2\cdot 1} a^3b^2c$$$$~=60a^3b^2c$$よって、\(a^3b^2c\) の係数は \(60\) となります。
 
したがって、\((a+b+c)^n\) を展開したときの項 \(a^pb^qc^r\) の係数は、

$$\frac{n!}{p!\cdot q! \cdot r!}a^pb^qc^r~~~~~(n=p+q+r)$$

と表されます。
 
ここでは、計算式が楽な解法パターン2で解いていきます。

 

問題解説:多項定理

問題解説(1)

問題\((x+2y-3z)^5\) を展開したときの次の係数を求めよ。$${\small (1)}~x^2yz^2$$

\((x+2y-3z)^5\) は \((x+2y-3z)\) が5部屋あり、そこから \((x)\) を2か所から、\((2y)\) を1か所から、\((-3z)\) を2か所から選んで取り出せばよい。
よって、その取り出し方はこれら5つのものの同じものを含む順列として考えられる。
よって、\(x^2yz^2\) の項は、$$~~~~~~\frac{5!}{2!\cdot 1! \cdot 2!}x^2(2y)(-3z)^2$$$$~=\frac{5\cdot4\cdot3}{2\cdot 1}\cdot 2 \cdot 9 x^2yz^2$$$$~=30\cdot 18 x^2yz^2$$$$~=540x^2yz^2$$答えは、\(540\) となります。

 

問題解説(2)

問題\((x+2y-3z)^5\) を展開したときの次の係数を求めよ。$${\small (2)}~xyz^3$$

\((x+2y-3z)^5\) は \((x+2y-3z)\) が5部屋あり、そこから \((x)\) を1か所から、\((2y)\) を1か所から、\((-3z)\) を3か所から選んで取り出せばよい。
よって、その取り出し方はこれら5つのものの同じものを含む順列として考えられる。
よって、\(xyz^3\) の項は、$$~~~~~~\frac{5!}{1!\cdot 1! \cdot 3!}x(2y)(-3z)^3$$$$~=5 \cdot 4\cdot 2 \cdot (-27) xyz^3$$$$~=-1080xyz^3$$答えは、\(-1080\) となります。

 

今回のまとめ

多項定理では係数が3種類の項の取り出し方になり、その場合の数は「同じものを含む順列」で考えましょう。

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