複素数範囲での因数分解の解法
2次式 \(ax^2+bx+c\) において、
2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解を考えると、解の公式より、$$~~~x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}=\frac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}$$したがって、この2つの解を用いて2次式 \(ax^2+bx+c\) を因数分解すると次のようになります。
問題解説:複素数範囲での因数分解
問題解説(1)
2次方程式 \(x^2+x+1=0\)の解は解の公式より、$$~~~x=\frac{-1\pm\sqrt{1^2-4\cdot1\cdot1}}{2\cdot1}$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{-1\pm\sqrt{1-4}}{2}$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{-1\pm\sqrt{-3}}{2}$$負の数の平方根を \(i\) を用いて表すと、$$\hspace{ 10 pt}=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}$$よって、\(x^2+x+1\) は次のように因数分解できます。$$~~~x^2+x+1$$$$~~~~~~=\left(x-\frac{-1+\sqrt{3}i}{2}\right) \left(x-\frac{-1-\sqrt{3}i}{2}\right)$$
※注意
教科書や問題集によっては、$$~~~x^2+x+1$$$$~~~~~~=\left(x+\frac{1-\sqrt{3}i}{2}\right) \left(x+\frac{1+\sqrt{3}i}{2}\right)$$ここまで、因数分解します。
問題解説(2)
2次方程式 \(3x^2+4x-1=0\) の解は解の公式より、$$~~~x=\frac{-4\pm\sqrt{4^2-4\cdot3\cdot(-1)}}{2\cdot3}$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{-4\pm\sqrt{16+12}}{6}$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{-4\pm\sqrt{28}}{6}$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{-4\pm2\sqrt{7}}{6}$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{-2\pm\sqrt{7}}{3}$$よって、\(3x^2+4x-1\) は次のように因数分解できます。$$~~~3x^2+4x-1$$$$~~~~~~=3\left(x-\frac{-2+\sqrt{7}}{3}\right) \left(x-\frac{-2-\sqrt{7}}{3}\right)$$
※注意
教科書や問題集によっては、$$~~~3x^2+4x-1$$$$~~~~~~=3\left(x+\frac{2-\sqrt{7}}{3}\right) \left(x+\frac{2+\sqrt{7}}{3}\right)$$ここまで、因数分解します。
今回のまとめ
複素数範囲での因数分解は解の公式を用いて因数分解します。答えるときの式の形も覚えておきましょう。