三角関数の極限の解法
この式は、そのままだと \({\Large \frac{0}{0}}\) の不定形となりますが、\(1\) になると覚えておきましょう。
また、\(t\) を \(x\) の式としたとき、\(x\to 0\) のとき \(t\to 0\) となるならば、
となり、分子の角の部分と分母が同じならば公式が使えます。
問題解説:三角関数の極限①
問題解説(1)
\(x\to0\) のとき、\(\sin{x}\) は限りなく \(0\) に近づくので、$$~~~\lim_{x\to 0}\sin{x}=0$$よって、答えは \(0\) となります。
問題解説(2)
\(x\to0\) のとき、\(\cos{x}\) は限りなく \(1\) に近づくので、$$~~~\lim_{x\to 0}\cos{x}=1$$よって、答えは \(1\) となります。
問題解説(3)
\(x\to0\) のとき、\(\tan{x}\) は限りなく \(0\) に近づくので、$$~~~\lim_{x\to 0}\tan{x}=0$$よって、答えは \(0\) となります。
問題解説(4)
$$~~~\lim_{x\to \infty}\frac{\sin{x}}{x}$$分子の \(\sin{x}\) の角が無限大となり発散するので、はさみうちの原理を用いて解いていきます。
\(x>0\) のとき、\(\sin{x}\) の値の範囲より、$$~~~-1≦\sin{x}≦1$$各辺を \(x\) で割ると、$$\hspace{ 10 pt}-\frac{1}{x}≦\frac{\sin{x}}{x}≦\frac{1}{x}$$ここで、$$~~~\lim_{x\to\infty}\left(-\frac{1}{x}\right)=0~,~\lim_{x\to\infty}\frac{1}{x}=0$$となるので、はさみうちの原理より、$$~~~\lim_{x\to \infty}\frac{\sin{x}}{x}=0$$よって、答えは \(0\) となります。
問題解説(5)
$$~~~~~\lim_{x\to 0}\frac{\sin{3x}}{x}$$角の部分が \(3x\) となっているので、分母も \(3x\) となるようにしましょう。
分母分子に \(3\) をかけると、$$~=\lim_{x\to 0}\frac{\sin{3x}}{x}\times\frac{3}{3}$$$$~=\lim_{x\to 0}\frac{\sin{3x}}{3x}\times3$$ここで、\(x\to 0\) のとき \(3x\to 0\) となるので、公式を用いると、$$~=1\times3$$$$~=3$$よって、答えは \(3\) となります。
問題解説(6)
$$~~~~~~\lim_{x\to 0}\frac{\sin{5x}}{\sin{2x}}$$分子の \(\sin{5x}\) には \(5x\) が、分母の \(\sin{2x}\) には \(2x\) がそれぞれ必要になります。
よって、分子には \({\Large \frac{5x}{5x}}\) を分母には \({\Large \frac{2x}{2x}}\) をかけると、$$~=\lim_{x\to 0}\frac{\sin{5x}\times{\Large \frac{5x}{5x}}}{\sin{2x}\times{\Large \frac{2x}{2x}}}$$$$~=\lim_{x\to 0}\frac{{\Large \frac{\sin{5x}}{5x}}\times5x}{{\Large \frac{\sin{2x}}{2x}}\times2x}$$$$~=\lim_{x\to 0}\frac{{\Large \frac{\sin{5x}}{5x}}}{{\Large \frac{\sin{2x}}{2x}}}\times\frac{5x}{2x}$$$$~=\lim_{x\to 0}\frac{{\Large \frac{\sin{5x}}{5x}}}{{\Large \frac{\sin{2x}}{2x}}}\times\frac{5}{2}$$\(x\to 0\) のとき、\(5x\to 0~,~2x\to 0\) となるので、$$~=\frac{1}{1}\times\frac{5}{2}$$$$~=\frac{5}{2}$$よって、答えは \({\Large \frac{5}{2}}\) となります。
今回のまとめ
三角関数の極限については、まず \(\sin\) の公式を使えるようになりましょう。また、はさみうちの原理を用いるパターンよ覚えておきましょう。