2次曲線の平行移動の解法
\(x\) を \(x-s\) に
\(y\) を \(y-t\) に
置き換えた方程式である
となる。
(1) 放物線
\(y^2=4px\) を \(x\) 軸方向に \(s\) 、\(y\) 軸方向に \(t\) だけ平行移動すると、
焦点 \((p~,~0)\) はそのまま \(x\) 軸方向に \(s\) 、\(y\) 軸方向に \(t\) 移動すると考えて、$$~~~(p+s~,~t)$$となる。
(2) 楕円
\({\large \frac{\,x^2\,}{\,a^2\,}}+{\large \frac{\,y^2\,}{\,b^2\,}}=1\) を \(x\) 軸方向に \(s\) 、\(y\) 軸方向に \(t\) だけ平行移動すると、
焦点はそのまま \(x\) 軸方向に \(s\) 、\(y\) 軸方向に \(t\) 移動する。
(3) 双曲線
\({\large \frac{\,x^2\,}{\,a^2\,}}-{\large \frac{\,y^2\,}{\,b^2\,}}=1\) を \(x\) 軸方向に \(s\) 、\(y\) 軸方向に \(t\) だけ平行移動すると、
\({\large \frac{\,x^2\,}{\,a^2\,}}-{\large \frac{\,y^2\,}{\,b^2\,}}=-1\) を \(x\) 軸方向に \(s\) 、\(y\) 軸方向に \(t\) だけ平行移動すると、
焦点はそのまま \(x\) 軸方向に \(s\) 、\(y\) 軸方向に \(t\) 移動する。
問題解説:2次曲線の平行移動
問題解説(1)
与式を式変形すると、$$~~~y^2=4\cdot5\cdot x$$よって、\(p=5\) となり、焦点が \((5~,~0)\) となる。
この放物線を \(x\) 軸方向に \(2\) 、\(y\) 軸方向に \(-3\) だけ平行移動した放物線の方程式は、
\(x\) を \(x-2\) に
\(y\) を \(y-(-3)=y+3\) に
置き換えるので、$$~~~(y+3)^2=20(x-2)$$となる。
また、焦点 \((5~,~0)\) はそのまま移動すると考えて、$$~~~(5+2~,~0-3)=(7~,~-3)$$
したがって、放物線の方程式は、$$~~~(y+3)^2=20(x-2)$$焦点は \((7~,~-3)\) となる。
問題解説(2)
与式より、\(a^2=10~,~b^2=6\) であるので、$$~~~c=\sqrt{10-6}$$$$~~~~~=\sqrt{4}=2$$よって、焦点が \((2~,~0)\)\(~,~\)\((-2~,~0)\) となる。
この楕円を \(x\) 軸方向に \(2\) 、\(y\) 軸方向に \(-3\) だけ平行移動した楕円の方程式は、
\(x\) を \(x-2\) に
\(y\) を \(y-(-3)=y+3\) に
置き換えるので、$$~~~\frac{\,(x-2)^2 \,}{\,10 \,}+\frac{\,(y+3)^2 \,}{\,6 \,}=1$$となる。
また、焦点はそのまま移動すると考えて、$$~~~(2+2~,~0-3)=(4~,~-3)$$$$~~~(-2+2~,~0-3)=(0~,~-3)$$
したがって、楕円の方程式は、$$~~~\frac{\,(x-2)^2 \,}{\,10 \,}+\frac{\,(y+3)^2 \,}{\,6 \,}=1$$焦点は \((4~,~-3)\)\(~,~\)\((0~,~-3)\) となる。
問題解説(3)
与式より、\(a^2=5~,~b^2=4\) であるので、$$~~~c=\sqrt{5+4}$$$$~~~~~=\sqrt{9}=3$$よって、焦点が \((3~,~0)\)\(~,~\)\((-3~,~0)\) となる。
この双曲線を \(x\) 軸方向に \(2\) 、\(y\) 軸方向に \(-3\) だけ平行移動した双曲線の方程式は、
\(x\) を \(x-2\) に
\(y\) を \(y-(-3)=y+3\) に
置き換えるので、$$~~~\frac{\,(x-2)^2 \,}{\,5 \,}-\frac{\,(y+3)^2 \,}{\,4 \,}=1$$となる。
また、焦点はそのまま移動すると考えて、$$~~~(3+2~,~0-3)=(5~,~-3)$$$$~~~(-3+2~,~0-3)=(-1~,~-3)$$
したがって、楕円の方程式は、$$~~~\frac{\,(x-2)^2 \,}{\,5 \,}-\frac{\,(y+3)^2 \,}{\,4 \,}=1$$焦点は \((5~,~-3)\)\(~,~\)\((-1~,~-3)\) となる。
今回のまとめ
2次曲線の平行移動について解説しました。与えられた2次曲線の \(x~,~y\) をそれぞれ \(x-s~,~y-t\) をに置き換える解法と焦点はそのまま移動させる解法をおさえておきましょう。