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2次曲線と離心率

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2次曲線と離心率の解法

Point:2次曲線と離心率定点 \({\rm F}\) からの距離 \({\rm PF}\) と定直線 \(l\) からの距離 \({\rm PH}\) の比の値 \(e\) が一定である点 \({\rm P}\) の軌跡は、点 \({\rm F}\) を焦点の1つとする2次曲線となる。

よって、$$~~~{\rm PF}\,:\,{\rm PH}=e\,:\,1$$となり、\(l\) を準線、\(e\) を離心率という。
また、\(e\) の値より、
 \(0\lt e\lt 1\) のとき、楕円
 \(e=1\) のとき、放物線
 \(e\gt 1\) のとき、双曲線
となる。

 

問題解説:2次曲線と離心率

問題解説(1)

問題点 \((3~,~0)\) と直線 \(x=5\) からの距離の比が \(e\,:\,1\) である点 \({\rm P}\) について、\(e\) の値が次のときの点 \({\rm P}\) の軌跡を求めよ。$${\small (1)}~e=1$$

点 \({\rm P}\) の座標を \((x~,~y)\) とする。
点 \({\rm P}\) から直線 \(x=5\) に下した垂線を \({\rm PH}\) とすると、点 \({\rm H}(5~,~y)\) となる。

よって、\({\rm PF}\) と \({\rm PH}\) はそれぞれ$$~~~{\rm PF}^2=(x-3)^2+(y-0)^2$$$$~~~~~~~~~\,=(x-3)^2+y^2~~~\cdots~{\large ①}$$$$~~~{\rm PH}^2=(x-5)^2+(y-y)^2$$$$~~~~~~~~~~=(x-5)^2~~~\cdots~{\large ②}$$となる。
また、\({\rm PF}\,:\,{\rm PH}=e\,:\,1\) より、$$~~~{\rm PF}=e{\rm PH}$$両辺を2乗すると、$$~~~{\rm PF}^2=e^2{\rm PH}^2~~~\cdots~{\large ③}$$
③に \(e=1\) と①、②を代入すると、$$~~~(x-3)^2+y^2=1^2\cdot(x-5)^2$$展開すると、$$~~~x^2-6x+9+y^2=x^2-10x+25$$移項すると、$$~~~y^2=x^2-10x+25-x^2+6x-9$$$$~~~y^2=-4x+16$$$$~~~y^2=-4(x-4)$$したがって、放物線 \(y^2=-4x\) を \(x\) 軸方向に\(4\) 平行移動した放物線となる。

 

問題解説(2)

問題点 \((3~,~0)\) と直線 \(x=5\) からの距離の比が \(e\,:\,1\) である点 \({\rm P}\) について、\(e\) の値が次のときの点 \({\rm P}\) の軌跡を求めよ。$${\small (2)}~e=\sqrt{3}$$

(1) の③に \(e=\sqrt{3}\) と①、②を代入すると、$$~~~(x-3)^2+y^2=\left(\sqrt{3}\right)^2\cdot(x-5)^2$$展開すると、$$~~~x^2-6x+9+y^2=3(x^2-10x+25)$$$$~~~x^2-6x+9+y^2=3x^2-30x+75$$移項すると、$$~~~x^2-6x+9+y^2-3x^2+30x-75=0$$$$\hspace{55pt} -2x^2+24x-66+y^2=0$$両辺を \(\times(-1)\) すると、$$~~~2x^2-24x+66-y^2=0$$\(x\) について平方完成すると、$$~~~~~~~~~~~\,2(x^2-12x)+66-y^2=0$$$$~~~2\{(x-6)^2-36\}+66-y^2=0$$$$~~~~~~\,2(x-6)^2-72+66-y^2=0$$$$~~~~~~~~~~~~~~~~~2(x-6)^2-6-y^2=0$$移項すると、$$~~~2(x-6)^2-y^2=6$$両辺を \(\div6\) すると、$$~~~\frac{\,2(x-6)^2 \,}{\,6 \,}-\frac{\,y^2 \,}{\, 6\,}=\frac{\, 6\,}{\,6 \,}$$$$~~~~~\frac{\,(x-6)^2 \,}{\,3 \,}-\frac{\,y^2 \,}{\, 6\,}=1$$したがって、双曲線 \({\large \frac{\,x^2\,}{\,3\,}}-{\large \frac{\,y^2\,}{\,6\,}}=1\) を \(x\) 軸方向に\(6\) 平行移動した双曲線となる。

 



問題解説(3)

問題点 \((3~,~0)\) と直線 \(x=5\) からの距離の比が \(e\,:\,1\) である点 \({\rm P}\) について、\(e\) の値が次のときの点 \({\rm P}\) の軌跡を求めよ。$${\small (3)}~e=\frac{\,1 \,}{\,\sqrt{3} \,}$$

(1) の③に \(e={\large \frac{\,1\,}{\,\sqrt{3}\,}}\) と①、②を代入すると、$$~~~(x-3)^2+y^2=\left(\frac{\,1 \,}{\, \sqrt{3}\,}\right)^2\cdot(x-5)^2$$展開すると、$$~~~x^2-6x+9+y^2=\frac{\,1 \,}{\,3 \,}(x^2-10x+25)$$両辺を \(\times3\) すると、$$~~~3x^2-18x+27+3y^2=x^2-10x+25$$移項して、計算すると、$$~~~3x^2-18x+27+3y^2-x^2+10x-25=0$$$$\hspace{74pt} ~~2x^2-8x+2+3y^2=0$$\(x\) について平方完成すると、$$~~~~~~~~~~~\,2(x^2-4x)+2+3y^2=0$$$$~~~2\{(x-2)^2-4\}+2+3y^2=0$$$$~~~~~~\,2(x-2)^2-8+2+3y^2=0$$$$~~~~~~~~~~~~~2(x-2)^2-6+3y^2=0$$移項すると、$$~~~2(x-2)^2+3y^2=6$$両辺を \(\div6\) すると、$$~~~\frac{\,2(x-2)^2 \,}{\,6 \,}+\frac{\,3y^2 \,}{\, 6\,}=\frac{\, 6\,}{\,6 \,}$$$$~~~~~~~\frac{\,(x-2)^2 \,}{\,3 \,}+\frac{\,y^2 \,}{\, 2\,}=1$$したがって、楕円 \({\large \frac{\,x^2\,}{\,3\,}}+{\large \frac{\,y^2\,}{\,2\,}}=1\) を \(x\) 軸方向に\(2\) 平行移動した楕円となる。

 

今回のまとめ

2次曲線の離心率について解説しました。離心率を用いて軌跡の求め方と、離心率の値によってどのような曲線となるかをおさえておきましょう。

【問題一覧】数学Ⅲ|2次曲線
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