複素数の極形式の解法
このとき、
次に、実軸の正の部分と \({\rm OP}\) とのなす角を \(\theta\) とする。この \(\theta\) を偏角といい、
と表す。
したがって、\(z=a+bi\) の極形式を
で表す。
解法の手順は、
① \(z=a+bi\) より、絶対値 \(r\) を求める。$$~~~r=|z|=\sqrt{a^2+b^2}$$② \(z\) を複素数平面上に表し、偏角 \(\theta\) を求める。
③ 極形式を求める。$$~~~z=r\left(\cos{\theta}+i\sin{\theta}\right)$$
問題解説:複素数の極形式
問題解説(1)
\(z=1+i\) とすると、$$~~~r=|z|$$$$~~~~=\sqrt{1^2+1^2}$$$$~~~~=\sqrt{1+1}=\sqrt{2}$$また、\(z\) を複素数平面上に表すと、
図より、偏角 \(\theta\) は、$$~~~\theta=\frac{\,\pi\,}{\,4\,}$$したがって、極形式は、$$~~~\sqrt{2}\left(\cos{\frac{\,\pi\,}{\,4\,}}+i\sin{\frac{\,\pi\,}{\,4\,}}\right)$$となる。
問題解説(2)
\(z=-1+i\) とすると、$$~~~r=|z|$$$$~~~~=\sqrt{(-1)^2+1^2}$$$$~~~~=\sqrt{1+1}=\sqrt{2}$$また、\(z\) を複素数平面上に表すと、
図より、偏角 \(\theta\) は、$$~~~\theta=\frac{\,3\,}{\,4\,}\pi$$したがって、極形式は、$$~~~\sqrt{2}\left(\cos{\frac{\,3\,}{\,4\,}\pi}+i\sin{\frac{\,3\,}{\,4\,}\pi}\right)$$となる。
問題解説(3)
\(z=\sqrt{3}-i\) とすると、$$~~~r=|z|$$$$~~~~=\sqrt{(\sqrt{3})^2+(-1)^2}$$$$~~~~=\sqrt{3+1}=\sqrt{4}=2$$また、\(z\) を複素数平面上に表すと、
図より、偏角 \(\theta\) は \(0≦\theta\lt 2\pi\) の範囲で、$$~~~\theta=\frac{\,11\,}{\,6\,}\pi$$したがって、極形式は、$$~~~2\left(\cos{\frac{\,11\,}{\,6\,}\pi}+i\sin{\frac{\,11\,}{\,6\,}\pi}\right)$$となる。
問題解説(4)
\(z=-3-\sqrt{3}i\) とすると、$$~~~r=|z|$$$$~~~~=\sqrt{(-3)^2+(-\sqrt{3})^2}$$$$~~~~=\sqrt{9+3}=\sqrt{12}=2\sqrt{3}$$また、\(z\) を複素数平面上に表すと、
図より、偏角 \(\theta\) は \(0≦\theta\lt 2\pi\) の範囲で、$$~~~\theta=\frac{\,7\,}{\,6\,}\pi$$したがって、極形式は、$$~~~2\sqrt{3}\left(\cos{\frac{\,7\,}{\,6\,}\pi}+i\sin{\frac{\,7\,}{\,6\,}\pi}\right)$$となる。
問題解説(5)
\(z=-3\) とすると、$$~~~r=|z|$$$$~~~~=\sqrt{(-3)^2+0^2}$$$$~~~~=\sqrt{9+0}=\sqrt{9}=3$$また、\(z\) を複素数平面上に表すと、
図より、偏角 \(\theta\) は \(0≦\theta\lt 2\pi\) の範囲で、$$~~~\theta=\pi$$したがって、極形式は、$$~~~3\left(\cos{\pi}+i\sin{\pi}\right)$$となる。
問題解説(6)
\(z=-3i\) とすると、$$~~~r=|z|$$$$~~~~=\sqrt{0^2+(-3)^2}$$$$~~~~=\sqrt{0+9}=\sqrt{9}=3$$また、\(z\) を複素数平面上に表すと、
図より、偏角 \(\theta\) は \(0≦\theta\lt 2\pi\) の範囲で、$$~~~\theta=\frac{\,3\,}{\,2\,}\pi$$したがって、極形式は、$$~~~3\left(\cos{\frac{\,3\,}{\,2\,}\pi}+i\sin{\frac{\,3\,}{\,2\,}\pi}\right)$$となる。
今回のまとめ
複素数の極形式は、複素数の絶対値と座標より偏角を求める手順を覚えていきましょう。