等差数列×等比数列の和の解法
① 等比数列の公比を調べて、その値を和の式の両辺にかけた式 \(rS\) を作ります。
② 数列の和 \(S\) と公比をかけた式 \(rS\) との差を考えます。このとき、\(rS\) の右辺の各項は右に1項分ずらして引きます。
③ 引いた式 \((1-r)S\) の右辺の項の一部を等比数列の和として計算します。
④ \(1-r\) で両辺を割り \(S\) を求めます。
問題解説:等差数列✕等比数列の和
等比数列の公比が \(2\) であるので、\(2S\) を考えて1項右にずらして書き並べると、$${\small \hspace{ 10 pt} S=1+2\cdot2+3\cdot2^2+\cdots+n\cdot2^{n-1}}$$$${\small \hspace{ 6 pt}2S=\hspace{ 15 pt}1\cdot2+2\cdot2^2+\cdots+(n-1)\cdot2^{n-1}+n\cdot2^n}$$両辺をそれぞれひき算すると、右辺の縦に並んだ項は次のようになる。
2列目は、$$\hspace{ 10 pt}2\cdot2-1\cdot2=(2-1)\cdot2=2$$3列目は、$$\hspace{ 10 pt}3\cdot2^2-2\cdot2^2=(3-2)\cdot2^2=2^2$$最後から1つ前の列は、$$\hspace{ 10 pt}n\cdot2^{n-1}-(n-1)2^{n-1}$$$$\hspace{ 30 pt}=(n-n+1)2^{n-1}=2^{n-1}$$よって、引いた式は、$$\hspace{ 10 pt}-S=1+2+2^2+\cdots+2^{n-1}-n\cdot 2^n$$(ここで、\(n\cdot 2^n\) の符号はマイナスであることに注意!)
ここで、\(1+2+2^2+\cdots+2^{n-1}\) の部分は初項 \(1\)、公比 \(2\)、項数 \(n\) の等比数列の和となるので、$$\hspace{ 10 pt}-S=\frac{1\cdot(2^n-1)}{2-1}-n\cdot2^n$$$$\hspace{ 10 pt}-S=2^n-1-n\cdot2^n$$両辺に \(-1\) をかけると、$$\hspace{ 10 pt}S=-2^n+1+n\cdot2^n$$$$\hspace{ 20 pt}=(n-1)2^n+1$$よって、答えは、$$~~~S=(n-1)2^n+1$$となります。
今回のまとめ
等差数列✕等比数列の和の求め方はこの特別な手順で求めます。問題の数列の形から判断し、この解法を使えるようになりましょう。