群数列の解法
① \(n\) は群の番号となるので、\(m\) を項の番号と考えます。元の数列 \(\{a_m\}\) の一般項を求めると、$$~~~a_m=2m-1$$② 各群に何個の項があるかを書き並べた数列 \(\{b_n\}\) を考え、一般項を求めます。$$~~~\{b_n\}=\{~1~,~2~,~3~,~\cdots~\}$$よって、一般項は \(b_n=n\) となります。
これらより、第 \(n\) 群の中の個数 \(b_n\) と、初めから数えて \(m\) 番目の数値 \(a_m\) の関係の表は次のようになります。
第 \(n\) 群 | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(\cdots\) | |||
\(b_n\) 個 | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(\cdots\) | |||
\(m\) 番目 | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(4\) | \(5\) | \(6\) | \(\cdots\) |
\(a_m\) | \(1\) | \(3\) | \(5\) | \(7\) | \(9\) | \(11\) | \(\cdots\) |
③ \(n≧2\) のとき、第 \(n-1\) 群までの項の個数の総和を求めます。$$\hspace{ 10 pt}\sum_{k=1}^{n-1} b_k=\sum_{k=1}^{n-1} k$$$$\hspace{ 38 pt}=\frac{1}{2}(n-1)n$$④ 第 \(n\) 群の最初の項は、数列 \(\{a_m\}\) の初めから数えて \(m\) 番目かは、
「第 \(n-1\) 群までの個数+1」
となるので、$$~~~~~~m=\frac{1}{2}(n-1)n+1$$となります。
⑤ 第 \(n\) 群の最初の項は、\(\{a_m\}\) の一般項と「何番目の項であるか」より、次のようになります。$$~~~~~~2\left\{ \frac{1}{2}(n-1)n+1 \right\} -1$$$$~=n^2-n+1$$⑥ 求めた式が \(n=1\) のときに成り立つか確認します。$$~~~~~~1^2-1+1$$$$~=1-1+1$$$$~=1$$第1群の最初の項と等しくなります。
問題解説:群数列
問題解説(1)
\(n\) は群の番号となるので、\(m\) を項の番号と考えます。この数列を \(\{a_m\}\) とすると、一般項 \(a_m\) は、$$\hspace{ 10 pt}a_m=2m$$となります。
また、各群の中にある項の個数は、第1群に1個、第2群に3個、第3群に5個となっており、これを数列 \(\{b_n\}\) とすると、$$\hspace{ 10 pt} \{b_n\}=\{~1~,~3~,~5~,~\cdots~\}$$よって、この数列は初項 \(1\)、公差 \(2\) の等差数列となるので、一般項 \(b_n\) は、初項から \(n-1\) 回公差を加えることより、$$\hspace{ 10 pt}b_n=1+(n-1)\cdot2$$$$\hspace{ 21 pt}=1+2n-2$$$$\hspace{ 21 pt}=2n-1$$これらより、第 \(n\) 群の中の個数 \(b_n\) と、初めから数えて \(m\) 番目の数値 \(a_m\) の関係の表は次のようになります。
\(n\) | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(\cdots\) | ||||||
\(b_n\) | \(1\) | \(3\) | \(5\) | \(\cdots\) | ||||||
\(m\) | \(1\) | \(2\) | \(3\) | \(4\) | \(5\) | \(6\) | \(7\) | \(8\) | \(9\) | \(\cdots\) |
\(a_m\) | \(2\) | \(4\) | \(6\) | \(8\) | \(10\) | \(12\) | \(14\) | \(16\) | \(18\) | \(\cdots\) |
\(n≧2\) のとき、第 \(n-1\) 群までの各群の中の個数の総和を求めると、$$\hspace{ 20 pt}\sum_{k=1}^{n-1}b_k$$$$\hspace{ 10 pt}=\sum_{k=1}^{n-1}(2k-1)$$$$\hspace{ 10 pt}=2\sum_{k=1}^{n-1}k-\sum_{k=1}^{n-1}1$$$$\hspace{ 10 pt}=2\cdot\frac{1}{2}(n-1)\{(n-1)+1\}-(n-1)$$$$\hspace{ 10 pt}=(n-1)(n-1+1)-n+1$$$$\hspace{ 10 pt}=(n-1)n-n+1$$$$\hspace{ 10 pt}=n^2-n-n+1$$$$\hspace{ 10 pt}=n^2-2n+1$$ここで、第 \(n\) 群の最初の項は、元の数列の初めから数えて \(m\) 番目とすると、
「第 \(n-1\) 群までの項の総和+1」
となるので、$$~~~m=(n^2-2n+1)+1=n^2-2n+2$$よって、初めから数えて \(n^2-2n+2\) 番目となります。
したがって、これと一般項 \(a_m=2m\) より、第 \(n\) 群の最初の項は、$$~~~2(n^2-2n+2)=2n^2-4n+4$$また、\(n=1\) のとき、$$~~~~~~2\cdot1^2-4\cdot1+4$$$$~=2-4+4$$$$~=2$$これより、第1群の最初の項と等しくなります。
よって、答えは$$~~~ 2n^2-4n+4$$となります。
問題解説(2)
第 \(n\) 群は、最初の項は(1)の答えより \(2n^2-4n+4\)、公差が \(2\)、群の中の項数は、\(b_n=2n-1\) の等差数列となるので、その和は、$$\hspace{ 20 pt}\frac{1}{2}(2n-1)\{ 2(2n^2-4n+4)$$$$\hspace{ 80 pt}+(2n-1-1)\cdot 2\}$$$$\hspace{ 10 pt}= \frac{1}{2}(2n-1)(4n^2-8n+8+4n-4)$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{1}{2}(2n-1)(4n^2-4n+4)$$$$\hspace{ 10 pt}=\frac{4}{2}(2n-1)(n^2-n+1)$$$$\hspace{ 10 pt}=2 (2n-1)(n^2-n+1)$$よって、答えは、$$~~~2(2n-1)(n^2-n+1)$$となります。
今回のまとめ
群数列の解法のポイントは、各群の項の個数を新たな数列として考えて、第 \(n\) 群の最初の項は、「第 \(n-1\) 群までの項の個数の総和+1」番目の項となります。