命題が漸化式のときの数学的帰納法
② 推定した一般項について、\(n=1\) のときに成り立つことを示します。
③ \(n=k\) のとに成り立つと仮定して、条件式 \(a_k\) を作ります。
④ 漸化式の \(n=k\) の式と条件式 \(a_k\) より、\(a_{k+1}\) を求めます。
⑤ 求めた \(a_{k+1}\) が推定した一般項と一致することを示します。
問題解説
条件より、$$~~~a_1=\frac{1}{2}$$$$~~~a_2=\frac{a_1}{a_1+1}=\frac{{\large \frac{1}{2}}}{{\large \frac{1}{2}}+1}=\frac{1}{1+2}=\frac{1}{3}$$$$~~~a_3=\frac{a_2}{a_2+1}=\frac{{\large \frac{1}{3}}}{{\large \frac{1}{3}}+1}=\frac{1}{1+3}=\frac{1}{4}$$$$~~~a_4=\frac{a_3}{a_3+1}=\frac{{\large \frac{1}{4}}}{{\large \frac{1}{4}}+1}=\frac{1}{1+4}=\frac{1}{5}$$よって、\(\{a_n\}\) の一般項は次のように推定されます。$$~~~a_n=\frac{1}{n+1}~\cdots{\Large ①}$$これが正しいことを数学的帰納法で証明すると、
[証明]
( ⅰ ) \(n=1\) のとき、$$~~~a_1=\frac{1}{1+1}=\frac{1}{2}$$よって、成り立ちます。
( ⅱ ) \(n=k\) のとき成り立つと仮定すると、$$~~~a_k=\frac{1}{k+1}~\cdots{\Large ②}$$また、\(n=k\) のときの条件の漸化式を考えると、$$~~~a_{k+1}=\frac{a_k}{a_k+1}$$これに②を代入する と、$$~~~a_{k+1}=\frac{{\large \frac{1}{k+1}}}{{\large \frac{1}{k+1}}+1}$$分母分子に \(k+1\) をかけると、$$\hspace{ 30 pt}=\frac{1}{1+(k+1)}$$$$\hspace{ 30 pt}=\frac{1}{(k+1)+1}$$これより、\(n=k+1\) のときも①は成り立ちます。
( ⅰ )、( ⅱ )により、すべての自然数 \(n\) について①が成り立ちます。[終]
よって、求める漸化式は、$$~~~a_n=\frac{1}{n+1}$$となります。
今回のまとめ
そのままでは漸化式より一般項が計算できないときは、一般項を推定して数学的帰納法よりその推定が正しいことを示しましょう。