今回の問題は「式の展開の工夫」です。
数研出版 数学Ⅰ p.16 練習12~13
数研出版 高等学校数学Ⅰ p.15 練習14~15
数研出版 新編数学Ⅰ p.15~16 練習14~16
東京書籍 Advanced数学Ⅰ p.12~13 問15~19
東京書籍 Standard数学Ⅰ p.15~16 問10~13
問題次の式を展開せよ。
\({\small (1)}~(a+b-2c)(a-b-2c)\)
\({\small (2)}~(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)\)
\({\small (1)}~(a+b-2c)(a-b-2c)\)
\({\small (2)}~(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)\)
Point:共通部分(同じ式)を置き換える式の展開複雑な式の展開の問題 \((a+b+c)^2\) は、
① 共通部分を他の文字で置き換える。
\(a+b=t\) とすると、
\((a+b+c)^2=(t+c)^2\)
② \(t\) の式として展開する。
\((t+c)^2=t^2+2ct+c^2\)
③ \(t\) をもとの式に戻し、さらに展開する。
\(t=a+b\) と戻して、展開すると、
\(\begin{split}&(a+b)^2+2c(a+b)+c^2\\[2pt]~=~&a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca\end{split}\)
※ この結果は公式として覚えておくと良い。
また、\((x+y+3)(x+y-2)\) の展開でも、
\(x+y=t\) と置き換えて展開できる。
① 共通部分を他の文字で置き換える。
\(a+b=t\) とすると、
\((a+b+c)^2=(t+c)^2\)
② \(t\) の式として展開する。
\((t+c)^2=t^2+2ct+c^2\)
③ \(t\) をもとの式に戻し、さらに展開する。
\(t=a+b\) と戻して、展開すると、
\(\begin{split}&(a+b)^2+2c(a+b)+c^2\\[2pt]~=~&a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca\end{split}\)
※ この結果は公式として覚えておくと良い。
また、\((x+y+3)(x+y-2)\) の展開でも、
\(x+y=t\) と置き換えて展開できる。
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Point:展開の順序や組合せの工夫
※ \((x+1)^2\) と \((x-1)^2\) を先に展開すると式が複雑になり、その後の計算が大変になる。
よって、全体の2乗と考えて \((x+1)(x-1)\) を先に展開すると、
\(\begin{split}&(x+1)^2(x-1)^2
\\[2pt]~~=~&\{(x+1)(x-1)\}^2
\\[2pt]~~=~&(x^2-1)^2
\\[2pt]~~=~&x^4-2x^2+1
\end{split}\)
■ \((x^2+9)(x+3)(x-3)\) の展開は、
※ \((x^2+9)(x+3)\) を先に展開すると式が複雑になり、その後の計算が大変になる。
よって、\((x+3)(x-3)\) を先に展開すると、
\(\begin{split}&(x^2+9)(x+3)(x-3)
\\[2pt]~~=~&(x^2+9)(x^2-9)
\\[2pt]~~=~&x^4-81
\end{split}\)
■ \((x+1)^2(x-1)^2\) の展開は、
※ \((x+1)^2\) と \((x-1)^2\) を先に展開すると式が複雑になり、その後の計算が大変になる。
よって、全体の2乗と考えて \((x+1)(x-1)\) を先に展開すると、
\(\begin{split}&(x+1)^2(x-1)^2
\\[2pt]~~=~&\{(x+1)(x-1)\}^2
\\[2pt]~~=~&(x^2-1)^2
\\[2pt]~~=~&x^4-2x^2+1
\end{split}\)
■ \((x^2+9)(x+3)(x-3)\) の展開は、
※ \((x^2+9)(x+3)\) を先に展開すると式が複雑になり、その後の計算が大変になる。
よって、\((x+3)(x-3)\) を先に展開すると、
\(\begin{split}&(x^2+9)(x+3)(x-3)
\\[2pt]~~=~&(x^2+9)(x^2-9)
\\[2pt]~~=~&x^4-81
\end{split}\)
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