集合の包含関係と部分集合の解法
集合 \({\rm A}\) のどの要素も集合 \({\rm B}\) に含まれるとき、
集合 \({\rm A}\) は集合 \({\rm B}\) の部分集合 \({\rm A}\subset {\rm B}\)
※ ベン図で表すと、
集合 \({\rm A}\) と集合 \({\rm B}\) の要素がすべて一致するとき、
集合 \({\rm A}\) と集合 \({\rm B}\) は等しい \({\rm A}= {\rm B}\)
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■ 空集合
要素が1つもない集合を「空集合 \(\phi\) (ファイ)」
※ 空集合はどんな集合に対しても部分集合。
■ ある集合のすべての部分集合
要素の個数で場合分けをして考える。
集合 \({\rm A}=\{~a~,~b~,~c~\}\) のすべての部分集合は、
\({\small [\,1\,]}~\)要素の個数が1個のものは、
\(\{~a~\}~,~\{~b~\}~,~\{~c~\}\)
\({\small [\,2\,]}~\)要素の個数が2個のものは、
\(\{~a~,~b~\}~,~\{~b~,~c~\}~,~\{~a~,~c~\}\)
\({\small [\,3\,]}~\)要素の個数が3個のものは、
\(\{~a~,~b~,~c~\}\)
※ もとの集合と等しい集合も部分集合。
\({\small [\,4\,]}~\)要素の個数が0個のものは、
\(\phi\) (空集合ファイ)
※ 要素がなにもない集合も部分集合。
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問題解説:集合の包含関係と部分集合
問題解説(1)
\({\small (1)}~\)次の2つの集合の包含関係を調べよ。
\({\large ①}\) \({\rm A}=\{~n~|~n\)は \(12\) の約数\(~\}\)
\(~{\rm B}=\{~n~|~n\)は \(6\) の約数\(~\}\)
\({\large ②}\) \({\rm A}=\{~n~|~n\)は \(8\) の約数\(~\}\)
\(~{\rm B}=\{~1~,~2~,~4~,~8~\}\)
\({\large ③}\) \({\rm A}=\{~n~|~n\)は1桁の偶数\(~\}\)
\(~{\rm B}=\{~n~|~n\)は \(24\) の約数\(~\}\)
\({\large ④}\) \({\rm A}=\{~n~|~n\)は2の倍数\(~\}\)
\(~{\rm B}=\{~n~|~n\)は6の倍数\(~\}\)
① 集合 \(\rm A\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm A}=\{~1~,~2~,~3~,~4~,~6~,~12~\}$$集合 \(\rm B\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm B}=\{~1~,~2~,~3~,~6~\}$$よって、集合 \(\rm B\) は集合 \(\rm A\) に含まれるので答えは \({\rm A}\supset{\rm B}\) となります。
② 集合 \(\rm A\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm A}=\{~1~,~2~,~4~,~8~\}$$集合 \(\rm B\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm B}=\{~1~,~2~,~4~,~8~\}$$よって、集合 \(\rm A\) と集合 \(\rm B\) は等しくなり、答えは \({\rm A}={\rm B}\) となります。
③ 集合 \(\rm A\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm A}=\{~2~,~4~,~6~,~8~\}$$集合 \(\rm B\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm B}=\{~1~,~2~,~3~,~4~,~6~,~8~,~12~,~24~\}$$よって、集合 \(\rm A\) は集合 \(\rm B\) に含まれるので答えは \({\rm A}\subset{\rm B}\) となります。
④ 集合 \(\rm A\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm A}=\{~2~,~4~,~6~,~8~,~\cdots~\}$$集合 \(\rm B\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm B}=\{~6~,~12~,~18~,~24~,~\cdots~\}$$よって、集合 \(\rm B\) は集合 \(\rm A\) に含まれるので答えは \({\rm A}\supset{\rm B}\) となります。
問題解説(2)
\({\small (2)}~\)1桁の3の倍数の集合 \(\rm A\) の部分集合をすべて答えよ。
1桁の3の倍数の集合 \(\rm A\) の要素を書き並べると、$$~~~{\rm A}=\{~3~,~6~,~9~\}$$
集合 \(\rm A\) の部分集合で要素が1つのものは、
よって、$$~~~\{~3~\}~,~\{~6~\}~,~\{~9~\}$$となります。
集合 \(\rm A\) の部分集合で要素が2つのものは、
よって、$$~~~\{~3~,~6~\}~,~\{~6~,~9~\}~,~\{~3~,~9~\}$$となります。
集合 \(\rm A\) と等しい集合も部分集合となるので、
よって、$$~~~\{~3~,~6~,~9~\}$$となります。
要素が1つもない空集合も部分集合となるので、
よって、\(\phi\) となります。
以上より、集合 \(\rm A\) の部分集合は、$$~~~\{~3~\}~,~\{~6~\}~,~\{~9~\}$$$$~~~\{~3~,~6~\}~,~\{~6~,~9~\}~,~\{~3~,~9~\}$$$$~~~\{~3~,~6~,~9~\}~,~\phi$$となります。
今回のまとめ
集合の包含関係はそれぞれの集合を書き並べて比較して考えましょう!また、部分集合をすべて書き並べる方法も覚えておきましょう。