条件の否定②(すべて・少なくとも)
Point:すべて・ある・ともに・少なくともの否定■ すべて・あるの否定
すべての実数 \(x\) について \({\rm A}\)
⇅否定
ある実数 \(x\) について \({\rm \overline {\,A\,}}\)
※ 「あるの実数 \(x\) について◯◯」は、
「適当な実数 \(x\) について◯◯」
「◯◯を満たす \(x\) が少なくとも1つ存在する」
■ ともに・少なくともの否定
2つの実数 \(x~,~y\) について、
\(x~,~y\) がともに \({\rm A}\)
⇅否定
\(x~,~y\) の少なくとも一方が \({\rm \overline {\,A\,}}\)
すべての実数 \(x\) について \({\rm A}\)
⇅否定
ある実数 \(x\) について \({\rm \overline {\,A\,}}\)
※ 「すべての実数 \(x\) について◯◯」は、
「任意の実数 \(x\) について◯◯」
「実数 \(x\) は常に◯◯」
「◯◯を満たす \(x\) が存在する」
※ 「あるの実数 \(x\) について◯◯」は、
「適当な実数 \(x\) について◯◯」
「◯◯を満たす \(x\) が少なくとも1つ存在する」
■ ともに・少なくともの否定
2つの実数 \(x~,~y\) について、
\(x~,~y\) がともに \({\rm A}\)
⇅否定
\(x~,~y\) の少なくとも一方が \({\rm \overline {\,A\,}}\)
※ ド・モルガンの法則を用いる。
©︎ 2024 教科書より詳しい高校数学 yorikuwa.com
問題解説:条件の否定②(すべて・少なくとも)
問題解説(1)
問題次の条件の否定を答えよ。ただし、文字はすべて実数である。
\({\small (1)}~\)すべての実数 \(x\) について、\(x^2-4x+3>0\)
\({\small (1)}~\)すべての実数 \(x\) について、\(x^2-4x+3>0\)
\(x^2-4x+3>0\) の否定は、\(x^2-4x+3≦0\) となります。
よって、答えは
「ある実数 \(x\) について、\(x^2-4x+3≦0\)」
となります。
問題解説(2)
問題次の条件の否定を答えよ。ただし、文字はすべて実数である。
\({\small (2)}~x^2+2x+3≦0\) を満たす実数 \(x\) が存在する
\({\small (2)}~x^2+2x+3≦0\) を満たす実数 \(x\) が存在する
\(x^2+2x+3≦0\) の否定は、\(x^2+2x+3>0\) となります。
よって、答えは
「すべての実数 \(x\) について、\(x^2+2x+3>0\)」
となります。
問題解説(3)
問題次の条件の否定を答えよ。ただし、文字はすべて実数である。
\({\small (3)}~m~,~n\) がともに有理数である
\({\small (3)}~m~,~n\) がともに有理数である
「\(m~,~n\) がともに有理数」の否定は、
この表より、答えは
「\(m~,~n\) の少なくとも一方が無理数」
となります。
今回のまとめ
「すべて〜」と「ある〜」は否定の関係となるので覚えておきましょう。また、「ともに〜」の表を用いて「少なくとも一方が〜」とできるようになりましょう。
【問題一覧】数学Ⅰ:集合と論理
このページは「高校数学Ⅰ:集合と論理」の問題一覧ページとなります。解説の見たい単元名がわからないとき...