対偶法のやり方
その対偶 \(\overline {\,q\,}~\Rightarrow~\overline {\,p\,}\) の真偽は一致する。
対偶が成り立つことを示す証明を「対偶法」
① 命題の対偶を考える。
② 対偶が成り立つことを示す。
③ 真偽が一致するこので命題が成り立つ。
例えば、
「\(n^2\) が \(3\) の倍数 ならば \(n\) は \(3\) の倍数」は、
対偶の「\(n\) が \(3\) の倍数でない ならば \(n^2\) は \(3\) の倍数でない」を示す。
■ 倍数の証明
「3の倍数であるorでない」が条件のとき、
整数 \(k\) を用いて、
\({\small [~1~]}\,~n=3k\,\) ← 3の倍数
\({\small [~2~]}\,~n=3k+1\) ← 3の倍数でない
\({\small [~3~]}\,~n=3k+2\) ← 3の倍数でない
このように、\(3\) で割ったときの余りで分類する。
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問題解説:対偶法
[証明]
整数 \(n\) について、
「\(n^2\) が3の倍数ならば、\(n\) も3の倍数」
この命題の対偶は、
「\(n\) が3の倍数でないならば、\(n^2\) も3の倍数でない」
となります。
整数 \(n\) は3の倍数でないので、整数 \(k\) を用いて、\(n=3k+1~,~n=3k+2\) と表すことができます。
(ⅰ) \(n=3k+1\) のとき、
\(n^2\) は次のようになります。$$\hspace{ 10 pt}n^2=(3k+1)^2$$$$\hspace{ 23 pt}=9k^2+6k+1$$$$\hspace{ 23 pt}=3(3k^2+2k)+1$$よって、\(n^2\) は3の倍数となりません。
(ⅱ) \(n=3k+2\) のとき、
\(n^2\) は次のようになります。$$\hspace{ 10 pt}n^2=(3k+2)^2$$$$\hspace{ 23 pt}=9k^2+12k+4$$$$\hspace{ 23 pt}=9k^2+12k+3+1$$$$\hspace{ 23 pt}=3(3k^2+4k+1)+1$$よって、\(n^2\) は3の倍数となりません。
(ⅰ)と(ⅱ)より、\(n^2\) は3の倍数となりません。
よって、
「\(n\) が3の倍数でないならば、\(n^2\) も3の倍数でない」
が真となるので、その対偶である
「\(n^2\) が3の倍数ならば、\(n\) も3の倍数」
も真となります。[終]
今回のまとめ
この問題のようにそのままでは証明が難しい命題は対偶を考えて、その対偶を証明していきましょう。