恒等式の解法
\(x\) についての方程式は、$$~~~x^2-2x+3=0$$このように、特定の \(x\) について成り立つ式となります。
\(x\) についての恒等式は、$$~~x^2-2x+3=(x-3)(x+1)$$このように、\(x\) にどのような値を代入しても成り立つ式となります。
・恒等式の性質
2つの整式 \( {\rm P}(x)~,~{\rm Q}(x)\) について、
⇔ \( {\rm P}(x)~,~{\rm Q}(x)\) の同じ次数の項の係数は一致する
例えば、\(ax^2+bx+c=a’x^2+b’x+c’\) のとき、
となります。
問題解説:恒等式
問題解説(1)
(右辺)$$~~~=(x-1)(x+b)$$$$~~~=x^2+(b-1)x-b$$左辺と係数を比較すると、$$~~~\biggl\{ \begin{eqnarray}~ a=b-1 ~\cdots {\large ①} \\ ~-5=-b ~\cdots {\large ②} \end{eqnarray} $$②より、$$\hspace{ 10 pt}-5=-b$$$$\hspace{ 20 pt}b=5$$①に代入すると、$$~~~a=5-1=4$$
よって、答えは\( a=4~,~b=5\) となります。
問題解説(2)
(右辺)$$~~~=(x-1)^3+a(x+1)^2+bx+c$$$$~~~=(x^3-3x^2+3x-1)$$$$\hspace{50pt}+a(x^2+2x+1)+bx+c$$$$~~~=x^3+(a-3)x^2$$$$\hspace{50pt}+(2a+b+3)x+a+c-1$$左辺と係数を比較すると、$$~~~\Biggl\{ \begin{eqnarray} ~a-3=0 ~\cdots {\large ①} \\ ~2a+b+3=0 ~\cdots {\large ②} \\ ~a+c-1=0 ~\cdots {\large ③} \end{eqnarray} $$①より、$$\hspace{ 5pt}a-3=0$$$$\hspace{ 25 pt}a=3$$②に代入すると、$$\hspace{ 5 pt}2\cdot3+b+3=0$$$$\hspace{ 18 pt}6+b+3=0$$$$\hspace{ 36 pt}b+9=0$$$$\hspace{ 54 pt}b=-9$$\(a=3\) を③に代入すると、$$\hspace{ 5 pt}3+c-1=0$$$$\hspace{ 22 pt}c+2=0$$$$\hspace{ 40 pt}c=-2$$
よって、答えは \(a=3~,~b=-9~,~c=-2 \) となります。
問題解説(3)
(右辺)$$~~~=\frac{b}{x+1}-\frac{3}{x-1}$$\((x+1)(x-1)\) で通分すると、$$~~~=\frac{b(x-1)-3(x+1)}{(x+1(x-1)}$$$$~~~=\frac{bx-b-3x-3}{x^2-1}$$$$~~~=\frac{(b-3)x-b-3}{x^2-1}$$左辺と係数を比較すると、$$~~~\biggl\{ \begin{eqnarray} ~0=b-3~ \cdots {\large ①} \\ ~a=-b-3~ \cdots {\large ②} \end{eqnarray} $$①より、$$\hspace{ 10 pt}0=b-3$$$$\hspace{ 10 pt}b=3$$これを②に代入すると、$$\hspace{ 10 pt}a=-3-3$$$$\hspace{ 10 pt}a=-6$$
よって、答えは \(a=-6~,~b=3\) となります。
今回のまとめ
恒等式となるときの条件とその解法について解説しました。係数比較する方法を覚えておきましょう。