常用対数(桁数問題・小数第何位)
① 与えられた式 \(N\) に \(\log_{10}\) をとり、値を計算します。
② 求めた値より、連続する2つの整数で挟む不等式を作ります。
③ 両端の整数を \(\log_{10}\) を用いて表します。
④ 真数部分のみを比較した式を書き出します。
⑤ 指数の絶対値が大きい \(n\) が答えとなり、\(N\) は \(n\) 桁の整数となります。
解法の手順は、
① 与えられた式 \(N\) に \(\log_{10}\) をとり、値を計算します。
② 求めた値より、連続する2つの整数で挟む不等式を作ります。
③ 両端の整数を \(\log_{10}\) を用いて表します。
④ 真数部分のみを比較した式を書き出します。
⑤ 指数の絶対値が大きい \(n\) が答えとなり、\(N\) は小数第 \(n\) 位で初めて0でない数が現れます。
問題解説:常用対数(桁数問題・小数第何位)
問題解説(1)
\({\small (1)}\) \(2^{50}\) は何桁の整数か答えよ。
\(2^{50}\) について、\(\log_{10}\) をとると、$$~~~~~~\log_{10}2^{50}$$$$~=50\cdot\log_{10}2$$ここで、\(\log_{10}2=0.3010\) より、$$~=50\cdot0.3010$$$$~=15.05$$したがって、\(\log_{10}2^{50}\) は \(15\) より大きく、\(16\) より小さい数となるので、$$\hspace{ 10 pt}15<\log_{10}2^{50}<16$$両端を \(\log_{10}\) を用いて表すと、$$\hspace{ 10 pt}15\log_{10}10<\log_{10}2^{50}<16\log_{10}10$$係数を真数の累乗にもっていくと、$$\hspace{ 10 pt}\log_{10}10^{15}<\log_{10}2^{50}<\log_{10}10^{16}$$真数部分のみを比較すると、$$\hspace{ 10 pt}10^{15}<2^{50}<10^{16}$$ここで、
\(10^{15}\) は \(16\) 桁の最小の整数で、
\(10^{16}\) は \(17\) 桁の最小の整数であり、
\(2^{50}\) はその間の数であるので \(16\) 桁の整数となります。
問題解説(2)
\({\small (2)}\) \(0.3^{50}\) は小数第何位で初めて0でない数が現れるか答えよ。
\(0.3^{50}\) について、\(\log_{10}\) をとると、$$~~~~~~\log_{10}0.3^{50}$$$$~=50\cdot\log_{10}0.3$$ここで、真数部分を商の形に式変形すると、$$~=50\cdot\log_{10}\frac{3}{10}$$真数のわり算は対数のひき算より、$$~=50\cdot(\log_{10}3-\log_{10}10)$$ここで、\(\log_{10}3=0.4771\) より、$$~=50\cdot(0.4771-1)$$$$~=50\cdot(-0.5229)$$$$~=-26.145$$したがって、\(\log_{10}0.3^{50}\) は \(-27\) より大きく、\(-26\) より小さい数となるので、$$\hspace{ 10 pt}-27<\log_{10}0.3^{50}<-26$$両端を \(\log_{10}\) を用いて表すと、$$\hspace{ 10 pt}-27\log_{10}10<\log_{10}0.3^{50}<-26\log_{10}10$$係数を真数の累乗にもっていくと、$$\hspace{ 10 pt}\log_{10}10^{-27}<\log_{10}0.3^{50}<\log_{10}10^{-26}$$真数部分のみを比較すると、$$\hspace{ 10 pt}10^{-27}<0.3^{50}<10^{-26}$$ここで、
\(10^{-27}\) は小数点以下 \(0\) が \(26\) 個あり、小数第 \(27\) 位に \(1\) が現れる数で、
\(10^{-26}\) は小数点以下 \(0\) が \(25\) 個あり、小数第 \(26\) 位に \(1\) が現れる数となるので、
\(0.3^{50}\) はその間の数であるので、小数第 \(27\) 位で初めて0でない数が現れます。
今回のまとめ
桁数問題や小数第何位に初めて0でない数が現れるかの問題は、\(\log_{10}\) をとって考える解法の手順を覚えておきましょう。