複2次式の因数分解の解法
複2次式 \(x^4-3x^2-4\) などは、
\(x^2=t\) と置き換えて因数分解する。
■ 置き換えで因数分解できない複2次式
\(~~~x^4+x^2+1\)
① ( )² と部分的に因数分解ができるように、強引に式変形する。
\(x^4\) と定数項 \(1\) より、\(x^2\) の係数が \(2\) であれば
( )² と部分的に因数分解できるので、
\(x^2\) を \(2x^2-x^2\) とすると、
\(\begin{split}&x^4+x^2+1\\[2pt]~~=~&x^4+2x^2+1-x^2\end{split}\)
② 前半部分を部分的に因数分解して、
全体を( )² ー ( )² の形にする。
\(\begin{split}~~=~&(x^4+2x^2+1)-x^2\\[2pt]~~=~&\{(x^2)^2+2x^2+1\}-x^2\\[2pt]~~=~&(x^2+1)^2-x^2\end{split}\)
③ 全体を( )² ー ( )²の公式で因数分解し、さらに( )の中を整理する。
\(\begin{split}~~=~&\{(x^2+1)+x\}\{(x^2+1)-x\}\\[2pt]~~=~&(x^2+x+1)(x^2-x+1)\end{split}\)
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問題解説:複2次式の因数分解
問題解説(1)
この式は \(x^2=t\) と置き換えると、\(x^4=t^2\) となるので、$$~~~~~~x^4-x^2-12$$$$~=t^2-t-12$$この式を \(t\) の式として因数分解すると、 $$~=(t+3)(t-4)$$次に \(t=x^2\) より元に戻すと、$$~=(x^2+3)(x^2-4)$$ここで、 \(x^2-4\) はまだ因数分解できるので、 $$~=(x^2+3)(x+2)(x-2)$$答えは、\((x^2+3)(x+2)(x-2)\)となります。
問題解説(2)
この式では \(x^2=t\) としても因数分解ができません。
そこで \(x^4\) と定数項 \(+4\) のより、\(x^2\) の係数が \(+4\) であればすなわち$$~~~x^4+4x^2+4=(x^2+2)^2$$となっていれば因数分解できると考えます。
よって、\(x^4+4x^2+4\) としたいので \(+3x^2\) を \(+4x^2\) に無理矢理します。
しかし、勝手にはできないので \(-x^2\) を加えて、元の式に戻るようにしておきましょう。$$~~~x^4+4x^2-x^2+4=x^4+3x^2+4$$この無理矢理作る式変形は重要ですので覚えておきましょう!
$$~~~~~~x^4+3x^2+4$$$$~=x^4+4x^2+4-x^2$$ここで、\(x^4+4x^2+4\) は因数分解できるので、$$~=(x^2+2)^2-x^2$$因数分解の公式 \({\rm A^2-B^2=(A+B)(A-B) }\) を用いると、$$~={(x^2+2)+x}{(x^2+2)-x}$$$$~=(x^2+x+2)(x^2-x+2)$$これ以上は因数分解できません。よって、答えは \((x^2+x+2)(x^2-x+2)\) となります。
今回のまとめ
複2次式の因数分解では、無理矢理因数分解できる形に式変形するパターンが重要です。このように、欲しい数字や式を勝手に作り、ひき算などで調節することは数学ではよくしますので覚えておきましょう。