二重根号の解法
① 与えられた式を次の形に式変形する。
\(\sqrt{\,(a+b) \pm 2\sqrt{ab}\,}\)
(※ 内側のルートの係数を \(2\) にする。)
② \( a+b~,~ab \) となる2つの数 \( a~,~b \) を見つけて、次のように式変形する。(ただし、\(a> b\))
\(\sqrt{\,(a+b) \pm 2\sqrt{ab}\,}=\sqrt{a} \pm \sqrt{b}\)
■ 中のルートの係数を \(2\) にできない場合
\( \sqrt{\,3+\sqrt{5}\,} \) では、
① 内側のルートの係数が \(2\) にできないので、分母分子に \(\sqrt{2}\) を掛ける。
② 分子を二重根号の外し方で計算する。
③ 分母を有理化してさらに計算する。
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問題解説:二重根号
問題解説(1)
まずは中のルートの係数を 2 にするために式変形しましょう。$$~~~~~~\sqrt{6-\sqrt{20}}$$$$~=\sqrt{6-\sqrt{2^2\times 5}}$$$$~=\sqrt{6-2\sqrt{5}}$$ここで、和が \( 6 \) で積が \( 5 \) となる2数を考えると、\( 5+1=6~,~5\times 1=5 \) であることより、$$~=\sqrt{(5+1)-2\sqrt{5\times 1}}$$$$~=\sqrt{5}-\sqrt{1}$$$$~=\sqrt{5}-1$$よって、答えは \( \sqrt{5} – 1 \) となります。
問題解説(2)
まずは中のルートの係数を 2 にするために式変形しましょう。$$~~~~~~\sqrt{14+4\sqrt{10}}$$$$~=\sqrt{14+2\times 2\sqrt{10}}$$\(2=\sqrt{4}\) より、$$~=\sqrt{14+2\sqrt{4\times 10}}$$$$~=\sqrt{14+2\sqrt{40}}$$ここで、和が \( 14 \) で積が \( 40 \) となる2数を考えると、\( 10+4=14~,~10\times 4=40 \) であることより、$$~=\sqrt{(10+4)+2\sqrt{10\times 4}}$$$$~=\sqrt{10}+\sqrt{4}$$$$~=\sqrt{10}+2$$よって、答えは \( \sqrt{10}+2 \) となります。
問題解説(3)
この問題では(1)、(2)のように平方根の式変形では中のルートの係数を 2 にできません。よって、係数に 2 を作るためにルートの中の式に \( \large \frac{2}{2} \) をかけ算しましょう。$$~~~~~~\sqrt{2+\sqrt{3}}$$$$~=\sqrt{(2+\sqrt{3})\times \frac{2}{2} }$$分配法則より、$$~=\sqrt{\frac{4+2\sqrt{3}}{2}}$$分母分子に分けると、$$~=\frac{\sqrt{4+2\sqrt{3}}}{\sqrt{2}}$$ここで分子の中のルートの係数が 2 であり、和が \( 4 \) で積が \( 3 \) となる2数を考えると、\( 3+1=4~,~3\times 1=3 \) であることより、$$~=\frac{\sqrt{(3+1)+2\sqrt{3\times 1}}}{\sqrt{2}}$$$$~=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{1}}{\sqrt{2}}$$$$~=\frac{\sqrt{3}+1}{\sqrt{2}}$$分母を有理化するために、分母分子に \( \sqrt{2} \) をかけ算すると、$$~=\frac{\sqrt{3}+1}{\sqrt{2}}\times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}$$$$~=\frac{\sqrt{3} \times \sqrt{2}+1 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}}$$$$~=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{2}$$
よって、答えは \( {\Large \frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{2}} \) となります。
今回のまとめ
二重根号を含まない式にするためには様々な式変形が必要となります。特にこの問題(3)の解法は特殊ですので、しっかりと理解して計算できるようになりましょう。